第3章 24話 ページ10
『あ、あぁ。
ライが今着ているのは、拘束着だ。
周りの人に犯罪者だと思われるぞ』
犯罪者?
ライ「確かにそれはまずいな」
『とりあえず、私の上着を羽織っておけ。
今、適当に服を買ってくる』
歩いて行こうとするシルヴァを、僕は慌てて呼び止めた。
ライ「待ってくれ。
どうして、犯罪者かも知れない僕によくしてくれるんだ?」
う〜んとシルヴァは考え。
『……たとえ犯罪者でも、困ってる人がいたら助けたい。
そう思ってるからかな?』
それじゃ、すぐに戻るから。
そう言って、シルヴァはお店の中へと入って行く。
シルヴァがお店の中に入って行って、僕は考える。
ライ「……僕は、何処で何をしていたんだ?」
全くと言っていいほど、僕は自分のことがわからなかった。
わかったのは、名前だけ。
僕は一体、何者なんだ……。
『……待たせたな、ライ』
シルヴァがお店からすぐに出て来る。
手には、紙袋が握られていた。
『トイレで着替えて来るといい。
それじゃ、私はこれで……』
行こうとするシルヴァを、僕は呼び止める。
ライ「あ、待ってくれ!」
『どうした?』
ライ「その……ありがとう。
僕のために、ここまでしてくれて」
『ライのためじゃないさ。
私がそうしたいから、そうしただけ。
つまるところ、私のおせっかいだ』
ライ「それでも、礼を言わせてくれ。
助かった、ありがとう」
ライが笑顔をふりまくと、シルヴァは固まった。
が、すぐに我に返ったようで。
『……あ、あぁ。
どういたしまして』
シルヴァは、足早にその場を去って行く。
ライ「ハァ、ハァ……」
――無我夢中に走り続けていた僕は、ここで建物に道を遮られた。
ライ「ここまで来れば……」
ふと我に返り、あたりを見回す。
ライ「ここは……どこだ………。
(……ん? 誰かが来る……)」
近付いてくる人の気配を感じ、咄嗟に木陰へと身を隠した。
女生徒「ごめんね〜、急な仕事入れちゃって。
でも前サボってるんだから、これでチャラね」
男子生徒「だから、あれは不可抗力だと説明したでしょう?
何度も……」
どうやら、ここは学校のようだ。
会話の内容はよくわからないが、2人はここの学生らしい……。
学生とはいえ、見つかるのはまずい……どうする……あの力を使うか?
ライ「うっ……!」
男子生徒「誰だ!!」
思わず声が出てしまった。
だめだ――頭が痛みでガンガンする。
逃げなければ……。
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サツキ(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2018年2月25日 23時) (レス) id: 4233adfc23 (このIDを非表示/違反報告)
綾女(プロフ) - 今年も良い作品を楽しませて貰いました。ありがとうございます。 (2015年12月22日 21時) (レス) id: bfef2e3bb0 (このIDを非表示/違反報告)
シャドー(プロフ) - 綾女さん» これからの布石として学園に編入するのは外せないと思い、このような形になりました! ネタバレしちゃうけど、マオ編を絡ませるにはこれしかないと思い(笑) (2015年11月21日 19時) (レス) id: 10bac06916 (このIDを非表示/違反報告)
綾女(プロフ) - 凄いです。夢主が学習に編入したからライやスザク、色々なキャラとカラむのが楽しみだなぁ〜 (2015年11月18日 18時) (レス) id: bfef2e3bb0 (このIDを非表示/違反報告)
シャドー(プロフ) - 綾女さん» お待たせしてすみません<(_ _)> 漸く更新ができるようになりました! ライは好きなキャラクターなので、プロットを作る段階から入れようと考えていました。 なので、そう言ってもらえると嬉しいです!(^^)! (2015年8月19日 14時) (レス) id: 10bac06916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャドー | 作成日時:2015年6月26日 0時