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外が白ざめ、鐘が鳴り
吉原は朝を迎える。
結局啓悟様は、一度も私に触れることなかった。
『啓悟様、おはようございます』
「ん……おはようございます」
くぁ、と欠伸をして伸びる啓悟様。
「眠れました？」
『はい』
「よかった」
『すみません、私が布団を使わせていただき…』
「いいんですって！男なんてどこでも寝れるんですから」
幼さが強い笑顔は、寝起きだからだろうか。
こんな所で、こんな純粋な笑顔を見るのは初めてだ。
そもそも彼のように若い男が来ることは少ない。
何も脱いでいないから、簡単すぎる帰り支度を済ませて啓悟様と一緒に妓楼を出る。
「Aさん、どこ行くんですか？」
『大門までお見送りします』
「へぇ、そんなのあるんだ」
『しない遊女もいますけどね。私は昨晩何もしていないので…せめてものお仕事を』
「あはは、気にせんでいいのに」
本当に気にした様子もなく笑われるもんだから
もうこれは苛立ちを通り越して呆れに入ってしまったのかと考えを巡らせる。
まぁ、呆れられて当然なんだろう。
私はまた、死が来るのを待つだけの人形に戻るだけ。
誰からも身請けされず、年季までこき使われ続け精神と身体を削って朽ちていくんだ。
そうしているうちに、遊郭と外の唯一の出入り口である大門の前までやって来た。
『それでは。ありがとうございました』
「こちらこそです」
立ち止まり、啓悟様の背中を見送ると
啓悟様はくるりと振り返った。
「また来てもいいですか？」
『………え』
「貴女に会いに」
見つめられ、思いがけない言葉に動揺してしまう。
私に会いにって……あんなので、よかったの…？
私、何もしてないけど
「……やっぱり、男の人と一緒にいること自体嫌ですよね」
『違うんです！だって私、啓悟様のお金をドブに捨てるような使い方させてしまって…！』
「俺が貴女と同じ時間を過ごしたくて会いにくるだけですから」
真っ直ぐ見つめられるその瞳から目を逸らすことも叶わず
こんな私にも、そんな優しい言葉をくれることに
零れ落ちそうな涙を堪えることしか出来ず、バッと頭を下げて啓悟様を見送った。
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sana＊(プロフ) - riさん» コメントありがとうございます！私の作品一覧で読めませんかね？🥺もしかするとアプリの占ツクではなくサイトの方でR18閲覧設定していただくと表示されるかもです！🤔 (2022年12月19日 8時) (
レス) id: 35c21c90ed (このIDを非表示/違反報告)
ri - 同タイトルの色はどこで読めますか？好きすぎて好きすぎて夜も眠れません… (2022年12月17日 18時) (レス) id: cadfa640a8 (このIDを非表示/違反報告)
sana＊(プロフ) - 楽夢音さん» ありがとうございます！！😭💖🙏わぁ！すごく綺麗なお名前になったんですね！😳 (2022年8月18日 3時) (レス) id: 35c21c90ed (このIDを非表示/違反報告)
楽夢音 - sana＊さん» あ、名前がそーだから、楽夢音(らむね)になりました！ (2022年8月16日 21時) (レス) id: e55e7d41e1 (このIDを非表示/違反報告)
楽夢音 - sana＊さん» そうなんですね(*^^*) sanaさんのペースで頑張りすぎないよう更新頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧ 応援してます！ (2022年8月16日 21時) (レス) id: e55e7d41e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sana＊
| 作成日時：2022年7月5日 8時
