十二頁 ページ12
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朝、六時の鐘が鳴り
私たちはいつも通り、大門へと向かった。
「ではまた、半月後」
『はい、……お待ちして、おります』
やっぱり半月後。短いようで、長い。
また心細い時間がやってくると思うと寂しくて、俯いてしまう。
すると啓悟様の手が私のそれを掬い取り、甲に口づけを落とした。
『ッ！啓悟、さ…っ』
「貴女が"待ってる"って言ってくれたの、初めてで嬉しい」
ほんのり頬を染めて嬉しそうに微笑む啓悟様より
さらに茹蛸のように顔に熱が集まる私に、彼は「わぁ、」と興味深そうに見つめてきた。
「昨夜みたいですね」
『わっ、忘れてください…！』
「えーそれは無理でしょ、忘れられん」
可笑しそうに、楽しそうに笑われ
まだ繋いでいたいと、じわりと奥底で溢れてくる。
「じゃあ、ゆっくり休んで」
そんな私の想いも知らない啓悟様はするりと手を解いた。
『っ……、はい』
離れていく指先が切なくて、思わず伸ばしそうになるのを引っ込め
遠くなる啓悟様の背中を見送った。
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「ちょっと何〜やっと啓悟サマと進展した？」
睡眠も、風呂も食事も済ませ昼見世が始まると他の遊女が声をかけてきた。どうやら今朝の啓悟様とのやりとりを見られていたらしい。
『え、いや進展というか…昨夜、初めて口付けを…交わしました…』
「え、それだけ？」
『あとは、いつもと同じ添い寝と…』
「まだ床入りしてないの？！」
『し、してないです…！』
「呆れた、あの人Aに本気じゃん。毎晩添い寝だけって……もしかしてついてないの？」
『それはついてるとっ、思い、ますよ…？』
ぽぽぽっ、と少し想像しただけでも顔を赤らめてしまう私を、遊女はふぅん、と見つめた後にやついた。
「啓悟サマのこと、好きになっちゃった？」
『えっ』
「男性恐怖症治ってきてるんじゃない？触られて怖かった？」
『……怖くなかったです。でもそれは…啓悟様だけです』
「好いた男が出来るのはいいことだけど、仕事はちゃんとしなね。私たち遊女は1人の男に執着してちゃやっていけない仕事だよ」
『………はい』
私、啓悟様のこと
好きになってしまったのかも
ゆっくりと私の目を見て、優しく触れてくれるのは
心地良く、安心する
『………っ、』
胸の奥がきゅっとなって、温かい熱が溜まる
思い出すだけで心臓が跳ねてしまいそう
あと半月後が、こんなにも待ち遠しくなるなんて
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sana＊(プロフ) - riさん» コメントありがとうございます！私の作品一覧で読めませんかね？🥺もしかするとアプリの占ツクではなくサイトの方でR18閲覧設定していただくと表示されるかもです！🤔 (2022年12月19日 8時) (
レス) id: 35c21c90ed (このIDを非表示/違反報告)
ri - 同タイトルの色はどこで読めますか？好きすぎて好きすぎて夜も眠れません… (2022年12月17日 18時) (レス) id: cadfa640a8 (このIDを非表示/違反報告)
sana＊(プロフ) - 楽夢音さん» ありがとうございます！！😭💖🙏わぁ！すごく綺麗なお名前になったんですね！😳 (2022年8月18日 3時) (レス) id: 35c21c90ed (このIDを非表示/違反報告)
楽夢音 - sana＊さん» あ、名前がそーだから、楽夢音(らむね)になりました！ (2022年8月16日 21時) (レス) id: e55e7d41e1 (このIDを非表示/違反報告)
楽夢音 - sana＊さん» そうなんですね(*^^*) sanaさんのペースで頑張りすぎないよう更新頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧ 応援してます！ (2022年8月16日 21時) (レス) id: e55e7d41e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sana＊
| 作成日時：2022年7月5日 8時
