まあ聞かれてますよね ページ44
澤村side
その日の夜、俺たち三年は自主練をする為に、二年達を連れて体育館に向かっていた。
その道中で黒尾と木兎に会った。
なんでもこいつらもお互い練習するつもりなのだそう。
黒｢サームラくんよ、よかったら俺らもそっちの練習混ぜてよ｣
澤｢え、別に良いけど…自分の練習あるんじゃないのか？｣
兎｢まあたまにはな！赤葦も誘ってこ！｣
菅｢ならさっさと体育館向かお｣
そうして練習する予定の体育館に向かっていると、途中でAの声が聞こえた。
『梟谷には行きません』
…どういう事だ？
そう思ったのは俺だけじゃないらしく、他の奴らも全員静かに聞き耳を立てる。
兎｢あ、赤葦いんじゃん！あか｣
黒｢後でいくらでもスパイク練付き合うから黙れ頼む｣
黒尾も内容が気になるらしく、木兎を止めた。
中で話は続く。
『烏野は発展途上だし地力は低いし下手くそはいるし馬鹿も不仲もいるけど』
俺にも刺さる事をつらつらと言ってのける。
そのくらいで止めてくれ。
『でも、なんでかずっと見てたくなるんです。できる事なら、その先の景色を一緒に。』
『そんな仲間、そう出会えないでしょう』
その言葉を聞いて、胸が熱くなった。
Aは過去にチームメイトといざこざがあって、少し前までどこか一線を引いた距離感。
俺たちとの心の距離が常に保たれている気がした。
ある日その事を打ち明けてくれて、今は頼れる仲間だと思ってくれているみたいだ。
それでも、それを改めて聞くと何やら嬉しいものがあった。
それはスガや旭、二年達も同じようで。
全員が感極まったという顔。
そして黒尾と木兎はニヤニヤしながらこちらを見ていた。
澤｢…そろそろ行くぞ、バレる｣
黒｢だな。サームラくんよ、良かったな｣
澤｢…何が｣
兎｢A良い後輩じゃん！｣
黒｢だよな〜。俺らがもらいてぇくらいだわ｣
菅｢渡さねえよ？｣
東｢…いくら音駒でも駄目だぞ｣
黒｢うわ、冗談冗談！んな怖い顔すんなっての！二年生達も！｣
旭が顔を顰めると迫力があるな。
そんなどうでもいい事を思いながら、盗み聞きがバレないようにそそくさとその場を去る。
菅｢良い後輩に恵まれすぎだな、俺ら｣
もちろんお前らの事な！と二年の方を向いて言う。
こういう所、流石の副主将。
彼らの顔がぱっと明るくなった。
A達の期待に応えるためにも、練習たくさんしなきゃだな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1504人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つか(プロフ) - LOTTE チョコレートさん» こちらこそご覧いただきありがとうございます！🫶 (2022年12月31日 2時) (
レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
LOTTE チョコレート - みや"あとむ"wwww むっちゃツボにはまりました‼️とっても良い作品を作ってくださりありがとうございます‼️ (2022年12月29日 19時) (レス) @page47 id: 1c719ec638 (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - 真夜さん» よくぞお気づきに！！！！そうです！あの嘘つきな小説家です！！！ありがとうございます！！ (2020年8月26日 23時) (レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
真夜(プロフ) - 違ったらごめんなさい！『晩ご飯』の『そうさご名答』ってもしかして…小説家のあの人…ですか…？ (2020年8月26日 21時) (レス) id: 2ed3579147 (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - 莉菜さん» ありがとうございます！とても嬉しいです…泣 (2020年8月24日 23時) (レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つか | 作成日時：2020年8月4日 22時
