仁花ちゃん ページ36
『潔子さん!何で言ってくれなかったんですか!!』
別の日の部活、私は潔子さんに向かって叫んでいた。
後ろに小さな可愛らしい女の子を連れた潔子さんに。
事の発端はほんの数分前。
用事があったためいつもより遅れて部活に行くと、見た事のない金髪の少女が居た。
誰だろうと思っていると、潔子さんが一年生のマネ候補だと言うその子を紹介してくれた。
潔子さんがそんな風に人材募集していたなんて知らなかった私は驚き、冒頭に至るわけだ。
『言ってくれたら私も探したのに…』
清「ごめんね。こういうのはやっぱり今年最後の私がやるべきだなって」
『…ならいいですけどぉ…』
谷「あっあの…先輩のマネージャーさんですか…?」
潔子さんの後ろからおずおずと声をかけてくれるその子。小さくて可愛い子。
『あ、うん。うるさくてごめんね。名前なんて言うの?』
谷「はっ、や、谷地仁花であります!」
『へえ、仁花ちゃんていうん…だ…』
谷「…ど、どうかしましたか…?」
仁花ちゃんが心配するように私を見る。
その瞬間、両肩に勢いよく手を置いて、私は叫んだ。
『も、もしかしてひぃちゃん?!』
谷「…その呼び方…ま、まさかAちゃん?!」
すると潔子さんが驚いて、知り合い?と聞く。
『あ、えと…昔お隣さんだった子…です』
谷「仲良くなってすぐ引越しちゃって…」
清「…そんな偶然あるんだね」
そう言いたいのはこちらもだ。
あのひぃちゃんが目の前に居る事が信じられない。
『そっか…あ、私に今更敬語とか要らないからね』
谷「えっ、でも…」
『気にしないで。また仲良くしよ』
谷「うっうん!」
その一連のやりとりの後、委員会があるらしくひぃちゃんは帰ってしまった。
清「それにしても凄い偶然だね。影山は仁花ちゃんの事知らないの?」
『いや知ってるはずなんですけど…まああいつが覚えてるはずないですしね』
潔子さんがそう言ってるって事は初対面の振る舞いだったって事なんだろう。
あの子のバレー以外の記憶力に期待なんてしてないけどがっかりだよ。
『それにしても…あのひぃちゃんがマネージャーねぇ…お母さんにちゃんと話してるのかな』
昔からあのお母さんは厳しい人だ。
娘がやりたいことに口を出したりはしないだろうが、厳しさ故に、あの子は引っ込み思案な所がある。
ひぃちゃんにとっての最難関は、お母さんだろうな。
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つか(プロフ) - LOTTE チョコレートさん» こちらこそご覧いただきありがとうございます!🫶 (2022年12月31日 2時) (レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
LOTTE チョコレート - みや"あとむ"wwww むっちゃツボにはまりました‼️とっても良い作品を作ってくださりありがとうございます‼️ (2022年12月29日 19時) (レス) @page47 id: 1c719ec638 (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - 真夜さん» よくぞお気づきに!!!!そうです!あの嘘つきな小説家です!!!ありがとうございます!! (2020年8月26日 23時) (レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
真夜(プロフ) - 違ったらごめんなさい!『晩ご飯』の『そうさご名答』ってもしかして…小説家のあの人…ですか…? (2020年8月26日 21時) (レス) id: 2ed3579147 (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - 莉菜さん» ありがとうございます!とても嬉しいです…泣 (2020年8月24日 23時) (レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つか | 作成日時:2020年8月4日 22時