影山飛雄の姉【ハイキュー】

白鳥沢 ページ31

『夕、何見てんの』


GW合宿が終わって数日。

繋心くんも正式にコーチとして私たち烏野に加わり、毎日猛練習。

今は休憩の時間だった。


西｢おおA！見ろよこれ！ウシワカ！｣

『ウシワカ…ああ牛島さんね』

田｢写真でっけぇなクソ…｣


皆が囲って覗いていたのは月刊バリボー。

前に及川さんが表紙になった時、凄く感想を求められた事を覚えている。


『凄いな…それにしても白鳥沢、ねえ』

日｢白鳥沢って影山が落ちたとこ？！｣

影｢うるせえボゲェ！！｣


飛雄もうるさいよ。

そう言おうとしたがそれは蛍ちゃんに遮られる。


月｢白鳥沢といえばAさん、なんで行かなかったの｣

山｢一般入試余裕だったのに｣

『だから言ったじゃん。金銭的余裕と距離』


前に聞かれた時はふざけて言ったけど、これは本当。

私立って無駄に金かかるんだよね。


菅｢Aってそんな頭よかったんだ｣

『失礼な』

菅｢違う違う。影山の姉弟なのになーって｣

澤｢どっちみち超失礼だな｣

田｢まあ言いたい事は分かりますけど｣


おい飛雄言われてるよ。

そう思って飛雄の方を見たけど当の本人は分かっていらっしゃらないご様子。

ですよね。お姉ちゃん悲しいです。


『それに、どこ入ってもバレー部入るつもりだったんで』

澤｢俺が言うのも何だけど、なおさらなんで？白鳥沢はずっと強豪じゃん｣

『白鳥沢マネとってないって聞いたので』

菅｢そうなんだ｣


元気にしてるかねあいつ。

そう思いながら、でも私の事覚えてなさそうだ、とも思う。

昔から他人に深く干渉するやつじゃなかったし。

まあ同中じゃないから性格なんて詳しく知らないけど。




帰り道、昔の事を思い出す。

試合会場で会ったら話すだけの関係。

今思えばよくあんなに仲良くなれたなと思う。向こうは思ってないかもだが。


『そういえば高校どこ行くの？』

｢俺は白鳥沢｣

『一般？』

｢当たり前だろ。俺に白鳥沢から推薦なんか来るかよ｣


そう言うお前はどこなんだよ、と聞かれる。

当時は特にお金の事とか考えてなかったのでまだ第一希望は白鳥沢だった。


『奇遇だね私もだよ』

｢へー｣

『どうでもいいなら聞くなよな』

｢…別にどうでもよくはねぇ｣

『ふーん？あ、私そろそろ戻んなきゃだわ』

｢ん、じゃな｣

『ばいばーい』




どうせ高校で会うんだ。

そう思って特に挨拶も交わさず別れたけど、よく考えたら私超嘘つきじゃん。

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