ありがとう ページ19
そう言うと、シーン、と静まり返ってしまう。
なんとも気まずい。
『あ、そんな空気にならないでくださいよ！だから言いたくなかったのに飛雄…』
影｢ごめん｣
素直に謝られて言い返せない。
『…あの頃の私、ある意味飛雄だったんですよ』
日｢え、どういう事？｣
『日向くん言ってたじゃん。｢サーブもレシーブもスパイクも、全部俺一人でやれればいいのに｣って飛雄が言ってたって』
縁｢でもAの場合はやらなきゃいけない状況だったってだけでしょ？｣
責任感、と言ってしまえば聞こえは良いかもしれないが、それはそんな美しいものではない。
『仲間を信頼してなかった。ただそれだけだよ』
にこっと笑ってそう言うと、今まで黙っていた龍が突然口を開いた。
田｢練習も来ないでキャプテンの悪口叩いてるやつを信頼してる方がおかしいだろ？｣
『…何で私がキャプテンだったって分かるの？』
田｢その状況でお前以外に主将やらす顧問いねぇよ。そんでお前はそんなチームも｢仲間｣って呼んだ。十分だろ｣
驚いたまま固まっていると、菅原さんが私の頭に手を置いて、こう言った。
菅｢もう一人で溜め込むな。お前には｢本当の仲間｣がいるんだからな｣
俺みたいな頼りがいのある先輩もな！と言ってにこっと笑ってくれた菅原さん。
その顔を見てると、なんだか泣きそうになった。
日｢つうかAさん、オールラウンダーとかかっけぇ…！｣
月｢…何、Aさん泣きそうじゃん｣
澤｢あーあ、菅原と田中が泣かせた〜｣
菅｢俺ェ？！えっご、ごめんな？｣
田｢何で俺っスか？！お、おいA、何か分かんねえけど泣くな！｣
『泣いてる前提で話進めんな！泣いてねぇよボゲ！』
山｢出た影山家の血｣
『｢ボゲ｣だけで判断するの辞めて？！』
いつの間にか、皆笑っている。
日向くんじゃないけど、私も｢チーム｣と呼べるようなチームは居なかった。
だから正直、日向くんの｢居るぞ｣が響いたのは、実は飛雄だけじゃなかった。
『…皆さんの事、私なんかが｢本当の仲間｣って呼んでいいんですか？』
改まってそう聞いた。
この中で、誰より仲間を大切にしなかった私にその資格は無い。
「「「当たり前だろ/でしょ」」」
私の不安を他所に、皆が声を揃えた。
『…ありがとうございます』
その言葉は、私には十分すぎた。
私は大きく息を吸って、
『これからもよろしくお願いします』
笑顔で、そう言った。
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つか(プロフ) - LOTTE チョコレートさん» こちらこそご覧いただきありがとうございます！🫶 (2022年12月31日 2時) (
レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
LOTTE チョコレート - みや"あとむ"wwww むっちゃツボにはまりました‼️とっても良い作品を作ってくださりありがとうございます‼️ (2022年12月29日 19時) (レス) @page47 id: 1c719ec638 (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - 真夜さん» よくぞお気づきに！！！！そうです！あの嘘つきな小説家です！！！ありがとうございます！！ (2020年8月26日 23時) (レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
真夜(プロフ) - 違ったらごめんなさい！『晩ご飯』の『そうさご名答』ってもしかして…小説家のあの人…ですか…？ (2020年8月26日 21時) (レス) id: 2ed3579147 (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - 莉菜さん» ありがとうございます！とても嬉しいです…泣 (2020年8月24日 23時) (レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つか | 作成日時：2020年8月4日 22時
