【ハイキュー！！】最後まで見届けたい〜二つの私と春高予選〜

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練習は順調に進み午前中最後の内容であるサーブ練にはいった
私は全員に目を光らせてはいるが、そうしているだけで両手に収まっているファイルは開かなかった。
…否、開けなかったが正しい表現だろう
残念なことに先ほどの武田先生お言葉いつも通りを私は前日である今日止められてしまったのだ


A)え？何でですか、分析します


烏)あのなぁ、お前は少し病み上がりの自覚を持て


A)別に熱を出したわけじゃないし、パンクなんて早々起きません


烏)そうじゃなくてなぁ〜お前、本当じいさん似だなぁ！？


澤)はいはい、水無月。コーチの指示に従いなさい


武)そうですね。水無月さん見るだけにしましょう。紙とペンは没収です



バレーボール部三大権力者に、私は紙とペンという素晴らしい相棒を虚しくも取り上げられてしまったのだ。せめてネット際にたまってしまうボールたちを分散させる役を担おうとするが、既に他にやることを終わらせているMG仲間たちにここは任せろと背中を見せられてしまった。
かっこよかった

いや、そうじゃない。かっこいいけどそれも一応私の仕事



烏)水無月！ステージ上がってろ！


私が意地でも仕事をしようとする姿にコーチはイレギュラーな指示で阻止をしたのだ
そして、今に至る。こんな散々なことはないだろう。どういう事だ仕事禁止令なんて、私は今日何しに部活に来たんだろうか


月)ちょっと、ムスっとしすぎ


A)…蛍くんさっきのサーブトス少し低かったよ


月…ほんっと可愛くないね


A)知ってますぅ



体育座りをして膝に顎をのせて、ジトっと月島君をみた。彼はというと、フンっと鼻を鳴らすとまた練習に戻っていった。
…あぁ、大変だ。この状況、昨日の今日だからか拷問を受けているように感じてきた



A)…



ステージ上に飛んできたボールを自分のもとへ転がした。


昨日英くんとパスしたそれとは一回りも大きい５号ボール



中学までプレーヤーをしていたら、私は高校でも続けようとしていたのだろうか
なんてありもしないもしもが頭をよぎってしまった
私が続けようと思うはずがない。あの日、飛雄に出会った時点で決まっていた
当事者である私にとってそんなの愚問で


相当参ってるなぁっと表情筋がこわばるのを感じる



影)…



私は５号ボールをみんなの邪魔にならないように注意して床に落とした

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