【ハイキュー！！】最後まで見届けたい〜二つの私と春高予選〜

19ページ ページ19

それから少しして、コーチと武田先生が体育館に入ってきた。
私を見つけるなり声をかけてくれたので私も二人のもとへ駆け寄る


烏)おう、水無月。どうだ




A)一日休ませていただいたので調子も戻りました。任せてください



烏)なるほどな、スペシャリストなだけあって既に準備は万端と


私がファイルを渡せばコーチは「お前も大概馬鹿だよな」っと苦笑いをした。そのファイルには的確に相手校を分析したデータが挟まっている。
コーチは二ヒヒっと笑うと先生の手元の確認をした。武田先生の手に収まる人数分の紙は重要なものだ


烏)おい、お前ら！明日のトーナメント表だ


そのコーチの一言で部員が集まる
全員の手元にトーナメント表が回った。確認するとうちはいわゆるシード枠に入っていた。
IH予選の結果がここに影響されていた


武)明日の予選で二回勝てば、１０月の代表決定戦へ進出できます。この一次予選を突破した８校を加えて１０月の代表決定戦となります。



そう、一次予選。既に青葉城西や白鳥沢はその枠より一つ上にいる。
私たちは同じ土俵には立っていないのだ。勝ちを信じていないわけじゃない。でも気を引き締めておかなければ



武)今のキミたちなら必ず通過できます！いつも通りやりましょう！


全)しゃぁぁぁぁ！！！



選手たちが気合を入れて輪になってる少し後ろで様子を眺めていると隣からハァっと大きなため息が聞こえた。
仁花ちゃんだった


谷)い、いよいよ公式戦ですか…き、緊張してきた



A)そっか、つい４月からいるような気になるけど仁花ちゃんにとっては初めてか



谷)あっす…



清)そうだね、そして私には…最後だ


谷)！！




そう、笑う視線の先には同じく一戦一戦最後を背負う三年生たちの姿。
いつカウントが終了してもおかしくないとは分かっていても、気を付けてないと隣で泣き出しそうな仁花ちゃんにつられてしまいそうだ


影)どうした、へんな顔してるぞ




A)失礼な、私に構ってないで練習しな



影)あぁ！？言われなくてもするわボケ！！



そう、練習しよう
勝つために
全国まで先輩たちのバレーを途絶えさせないように

20ページ→←１８ページ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す