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体育館を出て少しして、月島くんは私の手を離した。
離された左手はまだ少し温もりが残ってて。本当にさっきまで手を繋いでいたんだと実感する。
月島くんはゆっくりと振り返り私の方を見る。
「……ごめん勝手に。黒尾さんたちの所に戻りたかったら戻っていいから」
『っ大丈夫！全然大丈夫！…………戻りたく、ない……』
そう言ってる自分が恥ずかしくて。言いながら目線を下に下げる。ああ、今の自分の顔は真っ赤なんだろうな。
自分の左手を、右手で優しく触る。
『っ今は、月島くんとがいい。月島くんと、一緒に居たい…………』
" 今は "なんて言って。本当は" ずっと "がいいくせに。でもそんなこと言えるはずがなく。
でも一緒に居たいって言えたのはすごいと思う。今までの自分では考えられなかった。よく勇気出したぞ私、今だけは自分を褒めよう。
「……そっか、僕も谷地さんと一緒に居たいよ」
『え！？』
思いもしなかった言葉に驚き顔を上げる。
月島くんがそんなこと言うなんて。私と同じ気持ちだったなんて。本当にびっくりした。
「……どうする？僕はこのまま食堂行くけど、谷地さんも一緒に行く？」
『そ、それって……一緒にご飯食べるってこと？』
またこんなこと言って。断れるかもしれないのに。そしたら落ち込むってわかってるくせに。
「…………僕は一緒に食べたいって意味で言ったんだけど」
月島くんの瞳が私をしっかりと捉えて動かない。
落ち込むどころかすごく嬉しくて。私は左手をギュッと握って言った。
『い、行く！食堂一緒に行こう……！』
これが精一杯の勇気。
私にはまだ、出せる勇気があるらしいです。
「じゃあ、行こっか」
月島くんは笑ってそう言った。
前を向く月島くんの隣に並んで歩く。ただ一緒に歩いて喋る。それだけの事なのに楽しくて、笑みがこぼれる。
自然に笑顔になるってこういう事だ。
次はお風呂の時間だ。
月島くんとご飯を食べ終わり、着替えを持って脱衣場まで来た。
温かいお湯に浸かり1人でのんびりするこの時間が好きだ。
『……ふふっ、』
さっきまで月島くんと一緒にいて、一緒にご飯を食べて。それが信じられなくて。
でもとても楽しくて幸せで、思い出し笑いをしてしまった。
今日はいい一日だったなあ……明日もまた頑張らなくちゃ。
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榁井(プロフ) - たんぽぽさん» 返信と更新遅くなりすみません…！コメントありがとうございます！少しずつですが更新していくので楽しみにして頂けたら嬉しいです(*^^*) (2020年12月12日 17時) (
レス) id: 449d801ec5 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2020年4月21日 10時) (レス) id: ef2dd6db99 (このIDを非表示/違反報告)
榁井(プロフ) - 蜜柑さん» コメントありがとうございます！更新出来てなくてごめんなさい><頑張ります〜 (2018年11月10日 10時) (レス) id: 0315d3255e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - うぅ…泣きました←この後風呂入ってボロ泣きしました← 私と似ていて、共感しながら読んでました！更新は無理しない程度に頑張って下さい！！ (2018年11月9日 21時) (レス) id: 97574853b7 (このIDを非表示/違反報告)
榁井(プロフ) - ラディさん» ありがとうございます！私もツッキーのちょっとつんつんしてるところが好きなんですよ〜！ (2018年3月31日 8時) (レス) id: 0315d3255e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：榁井 | 作成日時：2017年12月25日 23時
