不平等なんて、私だけ II【月島蛍】

【番外編】イヴの夜 ページ32

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カキン、とグラスの鳴る音がする。

それと同時に聞こえる、



「かんぱぁーい！！！」



日向くんの、明るくて大きな声。

そうです、今日は烏野バレー部1年だけでクリスマスパーティーです。

日向くんのお家にお邪魔させてもらっています。

小さな机にケーキやお菓子、ジュースが並べられている。……こんなに食べたら太りそう。

私の隣は影山くん……と、月島くん。

月島くんと、肩がぶつかるか ぶつからないかぐらいの距離。とても緊張しております。



「谷地さん、こっち向いて」



そう呼ばれ、月島くんの方を向く。



『むぐっ、』

「フッ、変な顔」



変な顔って言われても…！だって、いきなりケーキ食べさせた月島くんのせいだし…！！

振り向いたら、口の中に甘い味が広がった。いわゆる あーん ってやつですね。



「美味しい？」

『…………っ』

「ちょっと、答えてよ」



頬杖をついて、優しく微笑むから。
返事するしかなくて、首を少し縦に動かす。



「それはそれは。よかった」





＿＿＿＿＿
＿＿＿



「じゃーなー！！」

「日向今日はありがとなー」



クリスマスパーティーが終わり、みんなそれぞれの家へと帰る。



『仁花、帰ろっか』

「お姉ちゃん、後ろ」



後ろを振り返ると月島くんが。な、なんだろ……



『ごめん仁花、先 帰っててくれる？』

「うん！」



仁花は手をぶんぶんと振りながら帰っていった。



『な、なあに？』

「これ、」



そう言った瞬間、腕を引っ張られて顔が近付く。

1センチ、あるかないか。



「プレゼント」



引っ張った腕の反対の手にプレゼントをのせる。



「これだけ渡したくて、またね」



私のために用意してくれたんだと思うと、顔が熱くなった。









プレゼントは可愛いサンタさんのストラップでした。

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