不平等なんて、私だけ II【月島蛍】

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翌日 朝


朝練終わり、仁花と一緒に教室に向かっている。

話題はもちろん、ポスターのこと。



『武田先生に聞いてみるから、いいって言われたら放課後に写真とろ』

「うん！ありがとお姉ちゃん」



昨日、自分から変わろうなんて思っておいて、全然変わってない。

仁花を頑張って好きになろうって、変わろうって決めたのに。

奈乃ちゃんに、自分は変わったんだって言ったのに。

結局、何も＿＿＿＿



「ねぇ、」

『ご、ごめん仁花…』



隣にいる仁花の方を向く。



「僕、キミの妹じゃないけど」

『！？ ！！？』



でも、いたのは仁花じゃなくて月島くんで。

え、何。瞬間移動…？



『仁花、は……？』

「知らないけど、教室じゃない？キミが一人ぽつーんと立ってたから来てみた」



なんか、月島くんと話すの久しぶり…？

ていうか……



「ちょっと、聞いてんの」



近くないですか？



『きッ、キイテマス！』

「話すの久しぶりじゃない？あれから、助けた日から。それから大丈夫なの、また変な男に目 つけられたりとか……」

『……ぁ、うん……………』

「ねぇ、さっきから変だけど平気＿＿＿」



月島くんが、私の顔を覗く。

その距離が近すぎて、我慢できなくて。



『……や、離れて…………っ』



月島くんを、手の平で強くドンッと押す。

あ、嘘。私何して………



「……え、ごめん」

『あっ、違………ごめんなさい……っ』



ごめん月島くん。痛かったよね。

こんなつもりなかったのに。恥ずかしくてあんなことするなんて。

月島くんの顔、気まずそうで悲しそうで。初めて見た。

そこに居られなくなって、急いで自分の教室に入った。

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