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『うっ……痛い』
昨日叩かれた頬や腕がまだ痛む。
痣だらけだしバレちゃうかな。暑いけどジャージ来てこ。
「A、風邪?」
『はい…風邪気味で』
学校に着くとすぐ大地さんに話しかけられる。
マスクしてたからかな。
「Aさーん!!」
『わっ、日向くん』
「ジャージ着てて暑くないの?」
『……うん、大丈夫』
やっぱりこんな暑いのにジャージなんて可笑しいよね。
「…………」
ピーッと鳴る笛。休憩だ。
『お疲れ様です』
「おう、ありがと。……」
『どうしました?』
ドリンクを取ったまま私を見つめる大地さん。
「ちょっといいか?」
体育館の外に大地さんと2人。
私何かしたかな。いけないことしたかな。
「…マスク外してみろ」
『え』
「いいから」
痣あるから嫌なんだけどってあれ、もしかして__
「……やっぱり、ちょっと見せてみろ」
そう言って大地さんは私の腕を掴み、ジャージの袖を捲る。
「……はぁ、こんなに痣だらけじゃないか。昨日何かあったんだろ」
知ってたんですか。
まぁそうか、急にマスクとジャージて。しかも夏に。
『……どうしてですか』
「まずマスクとジャージ。こんな暑いのに可笑しいなって。つかお前、様子ずっと変だし」
バレちゃった。こんな自分が情けなくて恥ずかしい。
「何された」
『じ、実は__』
ゆっくりだけど昨日のことを話した。大地さんは頷きながら聞いてくれた。
「……そうか。辛かったな、ごめん」
そう言って私の頭を撫でる大地さん。
どうして、なんで
『大地さんが謝るんですか、私が悪いのに……』
「それは違う。Aは悪くない。悪いのはAを悲しませた扇西の子だ」
大地さんの優しさで泣きそうです。
涙腺弱くなったなぁ。
「武田先生に言っておこう。Aも来てくれ」
『大丈夫ですよ。こんなことで武田先生に言うなんて。そんなの先生にも大地さんにも迷惑が……』
「こんなことってなんだ。そんなのってなんだ。迷惑ってなんだ」
優しく笑っていた大地さんの表情は真剣な表情になっていた。
「こんなことで済まさせるレベルじゃない。これはいじめだ」
『でも』
「でもじゃない。迷惑かけていい。迷惑をかけて、それを助けあっていくのが仲間だろ」
“仲間”
私は烏野の仲間でいいんだ。そんなことを忘れていたなんて。
「ほら、泣くな」
『な、泣いてません』
「ははは、嘘つけー」
『泣いてません……っ!!』
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榁井(プロフ) - たんぽぽさん» 返信と更新遅くなりすみません…!コメントありがとうございます!少しずつですが更新していくので楽しみにして頂けたら嬉しいです(*^^*) (2020年12月12日 17時) (レス) id: 449d801ec5 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ(プロフ) - 更新楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2020年4月21日 10時) (レス) id: ef2dd6db99 (このIDを非表示/違反報告)
榁井(プロフ) - 蜜柑さん» コメントありがとうございます!更新出来てなくてごめんなさい><頑張ります〜 (2018年11月10日 10時) (レス) id: 0315d3255e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - うぅ…泣きました←この後風呂入ってボロ泣きしました← 私と似ていて、共感しながら読んでました!更新は無理しない程度に頑張って下さい!! (2018年11月9日 21時) (レス) id: 97574853b7 (このIDを非表示/違反報告)
榁井(プロフ) - ラディさん» ありがとうございます!私もツッキーのちょっとつんつんしてるところが好きなんですよ〜! (2018年3月31日 8時) (レス) id: 0315d3255e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:榁井 | 作成日時:2017年12月25日 23時