第二話 ページ3
リビングに通された人形少女は、勧められたソファに行儀よく座っている。リビングには、少女と、アヤノ、キド、カノ、マリー、モモ、シンタロー、遥がいた。あとバイブをやたら繰り返すスマホ。
アヤノが「えっと、じゃあ自己紹介をお願いできるかな?」と言うと、少女はこくり、と完璧な動作で頷いた。
「私の名前は『哨瞠 瑠佳(しょうどう るか)』だ。あんまり、好きじゃない。…これで、良いだろうか」
カノが、聞き終えるか終えないかという辺りで鋭い口調の質問をする。
「能力は?」
「『目を瞠る』だ」
少女の受け答えに、「へぇ?」とカノは片眉をひょいと持ち上げた。
「そうだ、じゃあ、入団試験を兼ねて僕らに何か見せてみてよ!能力を使って、さ」
とカノがにっこり笑う。すると、少女は考える素振りすら見せず、「かくれんぼが良い。私が鬼」と言った。
途ろにキドが立ち上がる。
「俺が相手をしよう」
カノが一層笑みを深くする。少女は、「ありがとう」と会釈した。
「じゃあ、始め!」
カノが一声を上げると、少女が目を瞑るより早くキドの姿が消えた。団員から、「あ〜ひどいですキドさん」やら、「手加減してやれよ」やら「もう無理だな」的ムードが流れる。
「もういいかい」
少女の問いかけに、「もう良いと思うよ」と苦笑しながら遥が答える。
ゆっくりと開いた、少女の目は赤い色だ。
そのまま、自らの手を目の前の空間に伸ばし、ぽん、と置く。
そこには急に頭を撫でられ目を丸くしているキドがいた。
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「ああ…はらはらした」
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作者名:一夏 白 | 作成日時:2017年10月12日 7時