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見果てぬ夢 ページ20

「好きだよ、大好き」


「一緒にいられるの、すごく幸せだよ」


「…ねぇ、キスして…?」



そういうAに迷いなくキスを落とす。

満足そうに微笑む姿はこれ以上になく可愛かった。



貴「ん〜…シンタロー…」


甘えた声で俺を呼ぶ。


……まぁ、はっきり言うと俺はシンタローじゃあないんだが。



貴「好きー…また抱きしめてもいい?」


頷くと嬉しそうに抱きついてくる。

そうしてスリスリと顔をうずめた。



多分Aは、俺と焼きつけるの区別がついてない。

やっぱ焼きつけるを目の前で始末しちまったのがマズかったんだろうけど…。


あの時すげぇ泣き叫んでたもんな。


精神なんて簡単に壊れたんだろ。




冴「…A、こっち向け」


貴「え、キスしてくれるの?…ん」



ちゅく…と甘ったるい水音をさせる。

舌を絡め続けてたら、少しして胸を押された気がした。



貴「はぁっ…シンタロー好き……あ、れ…」


Aの動きが一瞬止まった。

あぁ、またか…


そういえばそろそろのはずだもんな。



貴「あなた…だれ?シンタローは…そうだ…っシンタローはあなたがッ…」


時々くるんだよな、

正気に戻るっていうか…



貴「どうして…っなんで!?なんでシンタローのこと…ッ!!!」


ほら、また始まった。

シンタローシンタローって…


耳障りだから塞いじまうのが手っ取り早い。



貴「…っ!?い、嫌!!やめて…ッんぅ…!!」


手首を押さえつけて、キスの続きをする。


舌を入れたり、首筋に痕をつけてみたり…


そうしてれば泣き叫ぶ声はいつしか聞こえなくなってくる。



貴「んっ…好、きっ…」


ん、よかった。

だんだんとこうなることも少なくなってきている。


もうすぐ正気のAが出てくることもなくなるんだろ。



冴「愛してる…ずっと一緒だからな」


そういう俺に、


Aはクスリと笑みを浮かべた。




fin

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作者名:ソラ | 作成日時:2022年7月9日 21時

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