【カゲプロ】ろすとめもりー。【短編集】

期待した、未来のさき〔2〕 ページ33

「シンタロー…」


ぽたり、ぽたりと涙をこぼす。


俯くように目を背けて、小さく嗚咽しだした。




うん……分かってるよ…




本当はいろいろ考えてくれたんでしょ…？


心の中でずっと葛藤してて…それで削ぎ落としたいっていう気持ちの方が勝った。



だけど、やっぱりどこか苦しいんだよね…？





「あのね…少しだけ聞いてほしいんだけど…」



私は、この足でシンタローとどこかに行くのが好き。

この腕で抱きしめるのが好きなの。



それができなくなるなんて少しも考えたくない。




「だけどっ…それじゃあお前は…ッ！！」


「逃げないよ。…ずっとシンタローの傍にいる」



だから、お互いに約束をしよう。



「シンタローも私の傍にいてほしいな…」



今までみたいに隣にいてくれる、いつも通りの毎日でいいの。


もし私が逃げようとしたならその時は好きにしてよ。


まぁ、一生こない話だと思うけど。





「っ……」


あぁもう…ほら、泣かないでよ。




「ごめんな…愛してるだけなんだよっ…」



ぎゅっと背中に腕がまわる。


ほら、返される腕ならあった方がいいでしょ…？



シンタローの体温がよく伝わってくる。


大好き…大好きだよ…


だから…








此の期に及んで首輪なんかをつけようとしてきてるのはもう気づかないフリしてもいい…？



fin

やきもちthird→←期待した、未来のさき〔1〕

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す