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恋煩い ページ28

「きゃああああ!!!」


「あーぁ、おばさん邪魔しないでよー」



ズブリズブリとヒビヤが鎌でモモちゃんを何度も滅多切りにする。



その光景に思わず戻しそうになった。


はぁ、はぁっ…と呼吸が乱れる。



わ、私を庇って…モモちゃんが……ッ…




「よし、もういいかな。じゃあA、僕と一緒に……あれ?」


目を背けるようにその場を離れた。


み、みんなやられちゃった、



ヒビヤがおかしくなったって…

お前を探してるから逃げろって…っ


そういって目の前で切り刻まれていった。



どうしてこんなことに……ッ





「は、ぁ……はぁッ!」


も、もう走れないっ…

ヒビヤの能力じゃすぐ居場所はバレるだろうけどっ…



でも距離さえ取れればすぐには…っ




「だめだよ。油断しちゃ」



次の瞬間にはドサリと倒れこむ体。

な、なんでっ…逃げなきゃいけないのに…



息がつかえて全然力が入らない。



「ふふ、やーっと捕まえた」


動けない私をヒビヤがそっと抱きかかえる。


そのまま唇を合わせてきた。



すぐにどんどん深くなっていく。



「ん…ふ、ぅ…」


「んっ…僕ね?ずっとAのこと好きだったの…でもおじさん達も狙ってたみたいでさ」


え………。


そんなこと…全然知らなかった…っ…



「Aは鈍感だから気づかなかっただろうけど……取られるくらいならもう全部終わりにした方がいいと思って!」



屈託のないきれいな笑顔。


そして振り下ろされる鎌。



「い、嫌ぁ…い、た…っ……あぁッ!!!」



痛みにのたうち回る私にトドメといわんばかりの一打がはいった。

一気に意識が朦朧とする。



「ごめんね。待ってて?僕もすぐ行くから」


ヒビヤが、今度は自分自身にその刃を向けた。


ブシャ…なんて嫌な音をさせると力尽きたように倒れこんでくる。



やだよ…こんなの…



どこで間違えちゃったの?


私だってヒビヤのこと…






「……」



ふと、呼吸がとまった。



fin

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moco(プロフ) - 完結おめでとうございます。続編も待ってます……!! (2019年11月4日 18時) (レス) id: 6edeee1c2c (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - コメント失礼します。率直に言って最高です。日々更新ありがとうございます。 (2019年9月3日 20時) (レス) id: 158f1f5f32 (このIDを非表示/違反報告)
プリムローズ - とっても面白いです!。読んでいる側の私が、言うのもおこがましいのですが・・・ リクです!クロハです! //// お願いします! (2019年7月15日 17時) (レス) id: f06a14557b (このIDを非表示/違反報告)
雫月 - そうですか!ソラさん!これからも頑張って下さい! (2019年6月21日 16時) (レス) id: f6327c97d3 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 雫月さん» コメありがとうございます!大変申し訳ないのですがリクを受け付けているわけじゃないので今すぐには書けません(;_;)でもいつかはチャレンジしてみますね! (2019年6月15日 18時) (レス) id: a63cba60e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ソラ | 作成日時:2019年3月9日 23時

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