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気づかないなら ページ22

スー、ハー…と大きく息をする。

今日は…


今日はついにセトに告白する日…っ



「そんなに緊張しなくても大丈夫だって〜」


隣でカノがくすくす笑う。

いや、緊張するでしょ告白なんて初めてなんだからっ…


思えば私の一目惚れから始まったこの恋。

そのためにカノには相談とかいろいろ乗ってもらってた。



「今までありがとね、私がんばるから…!」


この恋が実っても実らなくても。


カノが恋した時には全力で応援するよ!

とりあえず私は当たって砕けてみます…!



「Aは本当にセトが好きだね〜」


「うん!」


「そっか〜…まぁ少し落ちつきなよ。ちょうど水もあるからさ」


はい、とペットボトルを渡される。

よかった、喉カラカラだったから…!


ごくごくと飲んでから、セトの部屋に行こうとした。




……のに、おかしなくらいにぐらつく視界。




「え…ぅっ…」


何、これ…


体の力がどんどん抜けていく。

倒れこみそうになったら寸前でカノに抱きとめられた。



「なんだ…思ったよりはやく効いたんだね。ま、セトのとこ行かれたらたまったもんじゃないからいいか」


え…、今なんて…?


ど、どういうこと…だってカノは…


「応援してくれてたのに何でって思った?言っとくけど僕は応援なんか少しもしてないよ」


そう言ってそっと口を合わせてくる。


抵抗したくても力が入らない。

しばらくされるがままだった。



「んっ…あぁよかった、Aのファーストキス僕がもらえて」


そ、そんな…


ひど、いっ…


また、カノがキスしようと顔を近づけてくる。



「ぅ…やっぁ…」


「やだ…?そんなこと言ってられないよ、Aはもうすぐ…」



“ ×んじゃうんだから ”



そう言われた、ハッキリと…

曇りのないキレイな笑顔で…



「ごめんね?でもAも悪いよ。ここまで協力してあげたのに僕のこと全然見ないんだもん」


ちゅ、とまたキスを落とされ始める。


なんだか頭がボーッとしてきた。

息もしてるんだかしてないんだか分からないくらいに感覚が薄い…




「大丈夫。一人では逝かせないからね」


カノが私の飲み残した水を飲んだのが見えた。


ぎゅっと私を抱きしめてくる。




「あいしてるよ」


耳元で囁かれたのを最期に、


完全に意識が遠のいていった。



fin

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moco(プロフ) - 完結おめでとうございます。続編も待ってます……!! (2019年11月4日 18時) (レス) id: 6edeee1c2c (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - コメント失礼します。率直に言って最高です。日々更新ありがとうございます。 (2019年9月3日 20時) (レス) id: 158f1f5f32 (このIDを非表示/違反報告)
プリムローズ - とっても面白いです!。読んでいる側の私が、言うのもおこがましいのですが・・・ リクです!クロハです! //// お願いします! (2019年7月15日 17時) (レス) id: f06a14557b (このIDを非表示/違反報告)
雫月 - そうですか!ソラさん!これからも頑張って下さい! (2019年6月21日 16時) (レス) id: f6327c97d3 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 雫月さん» コメありがとうございます!大変申し訳ないのですがリクを受け付けているわけじゃないので今すぐには書けません(;_;)でもいつかはチャレンジしてみますね! (2019年6月15日 18時) (レス) id: a63cba60e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ソラ | 作成日時:2019年3月9日 23時

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