底イズム ページ21
今日はみんなでプールに来た。
なのに途中からセトの姿だけが見当たらない。
まぁ…心当たりがあるっていえばあるんだけど…
「セト…!おーいセトってばー!もう…」
仕方なくザブンと水の中に潜り込む。
そうして底の方で沈んだままのセトを引き上げた。
「また潜ってたの…?やめてよ、こんなところで」
「あぁ…ごめんっス」
どうもセトは水の中そのものが好きらしい。
川でも海でもプールでも…
息が持つ限り心配になるレベルで上がってこない。
「潜ってるの…楽しい?」
なんか…本当に怖いよ。
別に水面がキレイなのを見てるとかじゃないんでしょ…?
「楽しいっスよ…限界が来て苦しくてもがきそうになる瞬間がたまらないというか…そうだ、Aも一緒にどうっスか?」
「い、いや私は…っぅあッ!!」
グッと腕を掴まれて底の方に引きずり込まれる。
待って待って、私はセトと違って体力ないし…っ
「ぷはッ!や、やめッ、ぁう!!!」
ほとんど息継ぎもできないまま引っ張られる。
だめ、だめっ…本当に…ッ!!
なんとかセトの手を振りほどこうとがむしゃらにもがく。
おかげでどんどん息を消えていった。
く、苦しぃっ、やだよ私は…ッ…!
ゴボゴボと空気が抜けていく。
セトは全然余裕のまま。
顔を見たら、なぜだか嬉しそうに笑ってた。
どこか狂気的で虚ろな目…
なんで…セトっ…
「ッ…!」
最後の力を振り絞って、底を踏みつける。
水から顔が出そうになったスレスレで、強い力に引き戻された。
ゴボッと最後の息が漏れる。
あぁっ…なんで…
「…っ…」
スゥ…と意識が遠のいた感じがした。
fin
36人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
moco(プロフ) - 完結おめでとうございます。続編も待ってます……!! (2019年11月4日 18時) (レス) id: 6edeee1c2c (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - コメント失礼します。率直に言って最高です。日々更新ありがとうございます。 (2019年9月3日 20時) (レス) id: 158f1f5f32 (このIDを非表示/違反報告)
プリムローズ - とっても面白いです!。読んでいる側の私が、言うのもおこがましいのですが・・・ リクです!クロハです! //// お願いします! (2019年7月15日 17時) (レス) id: f06a14557b (このIDを非表示/違反報告)
雫月 - そうですか!ソラさん!これからも頑張って下さい! (2019年6月21日 16時) (レス) id: f6327c97d3 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 雫月さん» コメありがとうございます!大変申し訳ないのですがリクを受け付けているわけじゃないので今すぐには書けません(;_;)でもいつかはチャレンジしてみますね! (2019年6月15日 18時) (レス) id: a63cba60e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ソラ | 作成日時:2019年3月9日 23時