カゲプロ×終わりのセラフ (ページ3)

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世界の滅亡ページ3

シンタローside

ー「……！！」
何だこれは。俺は目を見開いた。
部屋に入ると、父さんと母さんが口から血を流し、倒れていた。
「父さん！母さん！」
俺は慌ててに2人に呼びかけた。…返事がない。まさか…死ん…で…る？
「…お兄…ちゃん？」
モモが扉を開けて入って来ようとする。
「…！入って来るな！モモ！」
モモにはこんな光景見てほしくない。その一心だった。だが、少し遅かった。モモが2人を見て立ち止まってしまう。
「おとーさん？おかーさん…？」
大きな2つの目がうるんでくる。
俺はモモを抱き締めた。
「お前は、お前だけは…俺が守ってやるから、な？」
そう言って頭を撫でる。
すると外から声が聞こえてきた。
「警告します！愚かな人間どもの手により、致死性のウィルスが蔓延しました！！残念ながら、人類は滅びます！」

腕の中にいるモモが震え始めた。
「おにーちゃん……怖い…怖いよぉ…」
「大丈夫。一回俺の部屋に戻ろう。モモ。歩けるか？」
そう言ってモモの手をひく。
「うん…。」
半泣きのモモを連れ、2人で俺の部屋に戻った。
大人は死んで、俺達は生きている…。子供には効かないウィルスなのか…？
そんなことを考えていると、一階から足音が聞こえてきた。
「吸血鬼だ！殺されたくなければ、大人しく出てこい！」
吸血鬼…！？俺達を捕らえにきたのか…！？
「……モモ。クローゼットの中に入っていろ。」
「……え？」
……ここなら見つかりにくいだろう。モモをその中に入るように促す。
「お兄ちゃん…お兄ちゃんは？一緒に…「駄目だ」…え？」
「俺、少し一階の様子を見てくるよ。」
モモにそう告げる。
「え…？やだ、嫌だよ。一緒にここにいようよぉ…」
モモが泣きじゃくる。
「俺は、必ず戻ってくる。約束だ。」
「…本当？」
モモが顔をあげる。
「あぁ、本当だ。だからほら、指切り。」
そう言い、俺は小指を前に突き出す。
「……うん。約束ね！」
「「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲～ます。指切った！」」
2人の声だけが、部屋に響き渡っていた。

ー「じゃあ、行ってくる。絶対に出ちゃ駄目だぞ？」
「うん。」
そう言って去っていく兄の背中を見たのは、これが最後だったー。