いちごオレしか。【stym】 (ページ8)

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episode8 ページ8

…それはどういう意味で言ったの、ころんくん。

あまり男の子との耐性がない私は、些細なことでも
戸惑ってしまう。でも、、そこまで鈍感でもない。

だからちょっとだけ彼の行動にびっくりした。

「ぼーっとしてどうしたの、櫻井さん？」

いや、貴方のせいなんですけどね…

そんな言葉は胸の奥にしまっておいた。

『なんでもないよ、ころんくん』

そう言って曖昧に言葉を濁し苦笑した。

このもやもやとした感情の名前はなんだろうか

この時の私はこのもやもやの正体に気づかずにいた。

「そ？ならいいんだけど、さ」

彼は私のことをどう思っているのだろう

おかしい。今まで1人でよかったはずなのに。

彼のことが少しだけ気になってしまうなんて

・

・

・

初めは確かに "僕らに興味を持たない女の子"

そんな女子が本当にいるのか？と疑ってた。

そんな時、偶然に偶然が重なってきみと出会えた。

でも、こう話してみて少しでも君のことが知りたい

って思っちゃったんだよね。

これは僕のわがままなんだけど。

「家、どこ‥？」

『え？そんな、わざわざいいのに、』

「いや、もう遅いし送るよ‥？」

彼女は焦ってびっくりしたように首を横にぶんぶんと振っていた。

そんなに僕のことが嫌いなのだろうか、？

『んー、分かりました、悪いので、近くまで、』

「ええ？別にそんな僕のことは気にしなくても‥」

『だ！め！で！す！良いから言うこと聞いて下さい』

目の前の彼女は頬を膨らませ、そう言い怒った顔をしていた。

…んー、てか敬語また戻っちゃってるし。。。

「はあ、わかったよ、近くまでね。それまで一緒」

『それならべつに‥いいけど』

どうやら彼女はまだ慣れないのか、
敬語が抜けたり抜けなかったりするみたいで、、

ちょっとそこもかわいいけど。

いちごオレを飲みながら彼女は小さく微笑んでいた。