いちごオレしか。【stym】 (ページ7)

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episode7 ページ7

「早く早く..!!」

『ちょ、待って下さい、！』

さっきまであんなに不貞腐れていたのに
今じゃこんな状態。

ころころ表情が変わる彼は中々見てて飽きない。

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そんな彼は突然私に視線を移し、小さく呟いた。

「櫻井さんって…いっつもそれ、飲んでるよね」

ソレ、とは多分……このいちごオレのことだろう。

『えっ？、ああ…これは、単なる糖分補給ですよ』

そう、

私にとっていちごオレは糖分補給に過ぎないのであって…

飲んでる時しか本性を出せない。

昔は…どんな時も1人で生きてきたから

そう思っていつの間にか癖で飲むようになっていた。

「ふーん、糖分補給、ねえ…」

それほど興味もないのか、はたまた何か考えこんでるのか…何方にせよころんくんはそれ以上は深入りしてこなかった。

「ってかさ、！敬語、！やめてってばっ!! 」

あ、すっかり忘れてたよ、そんなこと。

次敬語使ったら僕の言うこと聞いてもらうって言ったでしょ…！

なんて女の子より女の子して言い、拗ねる彼。

『ふはっ、ごめんね、ころんくん…忘れてた』

ちょっとそれがおかしくてつい、笑ってしまった。

「…じゃ、お願いきいて？手、繋いで帰ろ？」

彼は上機嫌で私の手をそのままぐいっと引っ張り
そのまま廊下を突き進んでいく。

…それはどういう意味で言ったの、ころんくん。