いちごオレしか。【stym】 (ページ13)

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episode13 ページ13

Colon side

次の日。

僕はいつも通りさとみくんと通学していた。

「今日の授業めんどいのあったっけ」

「ええ？確か数学の小テストあったような気がする」

「はあ？だるすぎ、俺なんもしてねえ」

「さとみくん頭いいでしょ」

「そういうお前も理系は点数よかっただろ」

そう。ここまではいつも通りの会話。

でも、どこか胸の奥がざわざわとしていて。

「ころん？…どうした？」

「え？あー、なんも」

そうさとみくんに返すけど不安は募るばかり。

やっぱり彼女に何かあったのだろうか？

・

・

・

教室に1番に着いた僕は周りを見渡す

後から聞いた話なんだけど、彼女は僕と同じ
クラスらしい。

全然今の今まで気づかなかった。(なーくん情報)

やっぱり彼女はどこにもいなかった。

因みにさとみくんは隣のクラスなんだよね。

「えー、櫻井さんなんですが、家庭の事情で暫くお休みです」

家庭の事情、？

絶対違うだろ、だって櫻井さんは・・

顔を顰め言いずらそうにそう言った僕の担任。

不安の原因はこれか。

"助けて"

「ｯ…」

どこからか彼女の悲痛な叫びが聞こえた気がした。

彼女はここには居ないのに。

「っ、」

「なんだよ、それ…」

ﾄﾞｶｯ

「せんせー、ぼく、ちょっと用事思い出したんで」

"俺"は勢いよく机を片足で蹴り、そのまま

いつもの6人の集まる場所へと駆け出した。

後ろから聞こえる先生の呼び止める声も全て無視して。

やっぱり"大人"は何か隠しているに違いない。

僕は何故か悔しくて唇を噛み締めた。

彼女が僕のことを求めているのなら

呼んでいるのなら

それなら

助けるしかないだろ

絶対見つけるからさ、、

待っててね、A。