桜蘭高校ホスト部×カゲプロ×苺【無気力症候群。】 (ページ38)

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過去編II ページ38

風夏『はぁ、はぁ…』

『もう嫌、あんな家……』

私は1人そんなことを考えながら公園のブランコに座っていた。

？「ねぇ、君も一緒に遊ばない？？」

風夏『えっだ、誰……』

？「遊んでくれたら教えてあげる！」

その子は無邪気に笑いながら私の手を取った。

なんでこんな所に1人で居るんだろう

そんなことを思ったけど私も同じだったわ

風夏『えっ…わ、分かった。何すればいいの？』

？「かくれんぼしよ！お姉ちゃんがおにね！」

「ちゃんと10秒かぞえてからきてね！」

断ろうかと迷ったけど走っていってしまったその子に何も言えなくて、まぁいいか、なんて思ってしまった

どこ行ったんだろ、あの子……

風夏『10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0……』

とりあえず、探してみますか。

結構暗くなってきたし、心配だし

風夏『お～い、』

そうそう、あの子女の子だったんだよ

最初ちょっと分からなかったけど…

なんて考えながら滑り台付近を探してみる。

いないなぁ……

他に隠れられそうなとこってどこだろう

あ、もしかして…

木の上、とか？

？「ぴんぽんぴんぽん～！だいせいかい～！」

そう言ってその子は木の上から飛び降りてきた。

風夏『うわっ、びっくりした……』

？「ふふっ、ごめんね、でもよく分かったねお姉ちゃん」

風夏『いや…ほんとになんとなく、だよ』

？「せいかいしたお姉ちゃんには約束どおり名前をおしえてあげるね！」

そう言った謎の女の子は小絵(さえ)というらしい。

上の名前は？と聞くと、ないの…と悲しそうに呟いた

風夏『私がつけたげよっか』

小絵「えっ！？本当！？」

うん、と言うと、小絵は嬉しそうに微笑んだ

こんな楽しい日は久しぶりかもしれない。

風夏『う～ん、そうだな……あ、そうだ』

『これから伊藤小絵って言うんだよ』

小絵「うんっ！ありがとうお姉ちゃんっ！」

これが私と謎の女の子小絵との出会いだった。