例えば、平凡な日常を語っただけの話があったとして。

「朝の日常　２」 ページ3

トースターから焼きたての食パンを取り出す。

「あちち･･･」

端を指で摘んで皿へと乗せる。

指に残る熱を冷まそうと両手をブラブラと動かしながら冷蔵庫を開けると、顔が冷気に包まれた。


この冬の早朝にこの冷たさは要らないのだが、これも買い込んだ食品の為。

冷蔵庫には年中無休でこれからも営業してくれたまえ。

「え、っと･･･バターは･･･」


あ、此処にあった。

なんて言って取り出したのはマーガリン。


ちなみにバター風味。


バターとの違いなんて、歴然とした味の違いはそんなに無いからバターと呼んでいる。


･･･良いじゃないか。本物のバターは高いんだ。



蓋を開けバターを食パンに塗る。


バターはしばらく経つと、狐色のパンに溶け込んだ。




キッチンを離れ、淹れたコーヒーと皿を持ってこたつに正座する。

目の前のテレビのリモートコントローラーが視界に入り、電源と書かれるボタンを
押した。

音量を下げて、家族を起こさないように。


付けた番組は情報番組ではなく、録画された深夜のアニメ番組。



特にアニメが大好き過ぎるとか、熱中しているとか、そういう訳でも無い。


ネット徘徊は好きだから、たまにスレで見かけたアニメに、ちょっとした興味を持っただけ。


だからそんなに真剣には見ない。


そして常々思うのだが、

オタク向けと思われる描写は本気で止めて欲しい。


正直に言えば気持ち悪い。



朝食を終えて、一時停止をする事も無く、リビングを離れ静かに洗面所へ向かった。

目的は歯磨き。


歯を磨く間は、特に考える事も無い。


数分後に水で流して、先程の位置に座る。


時刻は６時３１分。

塾の宿題も無い、学校の宿題も終わらせた。

暇だと思いながらテレビ画面をひたすら見続けた。




アニメを付けて約３０分後。


ようやく終わった。


テレビの電源を切り、本気で暇になる。


どうしましょうか。


いつもは読書かこたつで仮眠か。
流石に朝からブルーライトを浴びるのは御免だ。


「･･･自習でもしてみますか。」


朝ぐらいゆっくりしたい、と思っていつもはしていないけれど、一応自分は勉強せずにのんびりできる年齢では無い。


せめて２０分。

家族を起こす７時半まで。



部屋に籠もって学生やりますか。




起きてくる家族の為、こたつと暖房は営業中。

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←「朝の日常」

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す