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「ンンン！昂りますねえ。坊っちゃん、その宝具は何のために？誰のために？どんな時に使うのです？」
「…この宝具は、この世界を守るために、父上の理想のために、悪を滅ぼすために使うものです……」
嗚呼、良い、実に良い。
聞き分けの良い子供は嫌いではない。従順な者も嫌いではない。ああ英霊アビマニュよ、哀れな憐れなお人形。父が破滅へ向かうのも知らず、破滅の道筋を教えた男がだれかも知らずに我が手中に納まる惨めなお前。
「はい坊っちゃん。よくできました」
ぱちんと指を鳴らせば催眠は溶ける。このやりとりも、その反応も何回目だろうか。"最近お疲れのようですがお体は大丈夫でしょうか"と当たり障りのない言葉をかける。お疲れのよう、だなんて。自分で術をかけているくせに。鼻で笑ってしまいそうになる。
「拙僧はカルデアの恐怖が何時来るのか分からず大変恐ろしい思いをしておりまして、坊っちゃんが無事かとこうして確認している次第でございます」目を伏せながらそう言うとまたその話ですかと若干の呆れ声で返される。少々返事が雑になっているのでは？「まあ側近のアシヤさんが言っているのですから無視できない存在ってのは分かりました」こうして聞き入れてくれるようになっただけましなのやもしれませんが。
すると坊っちゃんは至極当然といった顔で今までならばあり得ないことを口にした。
「でもなんでそんなに心配なんですか？
"父上と接触する前に殺せばいい"のでは？」
内容はとても物騒なのに、それと相反する澄んだ目をしていた。「…ええ、そうですね」ああ憐れなアビマニュ、悲しい哀しい『狂戦士』の君よ。
この世に復讐相手は居らず、また復讐を名付けられる理由の書物もなし。
クラスが不明なのであれば拙僧が枠組みしても問題がなかろう。さあ堕ちろ、底まで堕ちろ。精神汚染か精神異常か、はたまた狂い果てるのか。なんだっていいでしょう。だって君の父親も狂っている。ならばその息子が狂わない道理はないでしょう。ねえ？
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影印 - Ayakaさん» コメントありがとうございます。自分の中では最近ギャグ寄りの話が多いけど大丈夫かな…と結構心配になっていたのでその言葉がとても嬉しいです。 (2021年6月26日 15時) (
レス) id: 2648135176 (このIDを非表示/違反報告)
Ayaka(プロフ) - 面白いです。続きも頑張ってください！楽しみにしてます。 (2021年6月22日 19時) (レス) id: f23d5c420b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影印 | 作成日時：2021年5月22日 12時
