でも/GO界のジュナ妻のことどう思ってるんですかね ページ36
「妻に会いたい…」
深刻な面持ちでそう呟くラーマを見たアルジュナはそっと視線を逸らした。そういえば最近息子に会ってなかったな、会いに行こうかなどと意識を現実から飛ばしているとそのラーマに肩をがっしりと掴まれた。
「何故だアルジュナ何故余を無視するのだ！」
「構ってほしかったんですか？！その言葉で？絶対関わったら駄目な人間を体現していたのではないのですか？！」
そうアルジュナがツッコむと「そんなことなかろう！余だよ？」と真面目な顔で迫ってくるラーマ。余だよとはどこぞのローマ皇帝と被っていると思いながらも落ち着くように促すアルジュナ。徐々に自分のテンションに気づいたのかラーマは体勢を直し、少し落ち着いた後に少し照れながら話し始めた。
「その、なんだ。妻も明言されていて子もここにいるお前なら余の気持ちが分かるのではないかと思ってな、」
少し照れながら話すラーマにそうだったのですかとアルジュナは返した。確かに他の同郷の者に話しても、理解は得られど共感する者はいないだろう。他と言えば他人に施し続けた戦士と戦いに身を窶した憤怒のバラモンだ。その二人よりはアルジュナに話した方がいいと思ったのだろう。現にそれは正しい。しかしアルジュナは一つ思ったことがあるのだ。この手の話をする上で気をつけなくてはいけないことであり変えようのない事実。
…そう。このアルジュナという男、妻が複数いるのだ！
正直危うい。真に愛した者もいれば(言い方は悪いが)生きずりのような関係の者もおり、正直一人を愛し続けたラーマの反感を買ってしまうのではないかとアルジュナは思っていた。するとその思いに気づいたのか顔に出ていたのか、ラーマは笑ってアルジュナに言った。「よい、お前に多くの妻がいるのは分かっている。余もそこまでキツくは問わん」
「だからアルジュナ、妻ではなくお前が好いた女の話をしてくれ」
余もシータの話が沢山したいからなとラーマは言う。妻ではなく好きな女。それはきっとラーマの心遣い。アルジュナはふっと笑った。「それは…長くなりますよ？」「お前のそれは冗談に聞こえんのだが」そのラーマの言葉に私も冗談くらいいいますよとアルジュナは返した。少しばかりうーんと悩み、それから口を開く。
「では、まずあの子の母親の話でもしますか」
「おお、それは楽しみだな！」
在りし日の愛しい者の姿に思いを馳せ、アルジュナは語り始めた。
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影印 - Ayakaさん» コメントありがとうございます。自分の中では最近ギャグ寄りの話が多いけど大丈夫かな…と結構心配になっていたのでその言葉がとても嬉しいです。 (2021年6月26日 15時) (
レス) id: 2648135176 (このIDを非表示/違反報告)
Ayaka(プロフ) - 面白いです。続きも頑張ってください！楽しみにしてます。 (2021年6月22日 19時) (レス) id: f23d5c420b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影印 | 作成日時：2021年5月22日 12時
