保健室のあの子

恋愛事情6日目 ページ6

「え！見て！志麻くんがこの時間に登校してる！」
「珍しいね！らっきー！」

いつもより少し早めに学校に着くと周りがざわつき始めた。

…保健室、もう居るんかな

ちらっと保健室の方を見ると窓も開いていなくて人の気配もしなかった。まだ来ていないのか…と肩を落とす

少しでも話せたら…と思って早めに来たけど来ていないのなら意味が無い、明日から登校時間戻すか

「し、志麻くん！今日は早いね！どうしたの？」

照れながら3人くらいで話しかけに来る女子生徒。

志「…別に、気まぐれやけど…」

登校時間変えるだけでどうしたのって言われると改めて人気者扱いされてんだなぁ、なんて。…あ、そうだ

志「なぁ、白浜Aって子、知らん？」

過眠症で授業に出れてないって言ってたけどAちゃんのことを少しでも知りたかったからダメもとで聞いてみると目の前の女子3人はあからさまに不思議そうな顔をした

「白浜……なに、？」
「あ、ほら、あれだよ…2組の休んでる…」

志「…休んでる？」

「あ…いや、休んでるって言うよりあんまり教室に来ないだけの方が多いかな…」
「来ても1時間くらいしか受けないでどっかいっちゃうの」
「ちょっといつも体調悪そうに受けてるから心配だけど積極的に話す子じゃないからあんまりわかんないかな…」

ごめんね、と少し申し訳なさそうな顔をする女の子達。

志「いや、大丈夫。ありがと」

そう伝えて校舎の方に向かうと志麻くんにありがとって言われちゃった！！ときゃあきゃあしてる声が聞こえてきた。

少女漫画辺りでよくある自分のことを知らないヒロインに「おもしれー女」って言うやつ、あんなんならないやろって思ってたけど案外下心満載で近付いてくる子より自分を知らないで仲良くしてくれる方が新鮮で、心地いいんだな。なんて考える

玄関で靴を履き替えてると裏玄関の方から見覚えのある容姿の子が入ってくるのが見えた

……Aちゃんだ

見ないと思ったらいつも裏玄関から入れてもらってるのか

つい目で追ってると誰かと一緒に居るような素振りを見せた。Aちゃんが後ろを向いて手を差し出しているのだ

『も、もう着いたから！自分で持てるって、！』

？「いーから！すぐ体力無くなるんだからこのくらい甘えとけ！」

男の声だ。手ぶらのAちゃんを見るあたり荷物を持ってもらってるんだろう

……誰だろう。3年の奴、？2年か、？

ちら、と見えた男は高身長で、Theかっこいいって感じの人。




………まじか

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