保健室のあの子

恋愛事情12日目 ページ12

マットを片付けて、バスケットボールを出し始める生徒をあくびをしながら眺める

志「高校にもなってマットってつまらんわー」

う「適度にサボれるから俺は好き」

志「まじぃ？」

バスケもちょっとサボるかぁなんて思ってると、女子の方はさっそく試合形式でやろうとしてるらしく、ざわざわし始めた

「白浜さんはこっちのチーム入れるべきだと思いまーす！！」
「私らのメンバーなんで無理でーす！！」

元気やなぁ…なんて思ってると最終的にじゃんけんで決めたらしく、ゲームを開始していた

2組のメンツはAちゃんのこと知らん人多いから5組だけチーム決め盛り上がっとったなぁ

「白浜さん！！」

『はーい！』

パスされたAちゃんを無意識に目で追うとその場で立ち止まって綺麗な3Pシュートを決めていた

志「！？」

う「おーうま」

普通に上手いやんけ！！！！！！！

「なぁ、あのさっきから3P決めてる子かわいくね？」
「ほんとじゃん！！後で声かけてみよーぜ！」

……は？

う「あ、次出るから行くぞー」

志「あ、お、おう」

俺もうらたさんもゲームをしに行く。
終わったらすぐAちゃんのとこ行かな。

ﾋﾟｰｯという音の合図で試合が終わり、周りを見ると複数人の男子がAちゃんの方を気にしている

……まずいぞ？？

志「……ｯAちゃん！」

『？あ、志麻くん！見てた〜！？』

名前を呼ぶと、きらきらした笑顔で手を振りながらこっちに小走りしてくるAちゃん。

志「見とったよ〜！めっちゃ上手かった！」

『志麻くんもすっごい上手だった〜！』

へへ、と小さく笑ったAちゃんは、他の子よりも走っていないはずなのに明らかに他の子よりも汗が垂れていた

志「え、だ、大丈夫？」

『え、？あぁ……うん！』

Aちゃんの頬を垂れる汗を指で拭ってあげるとAちゃんは急に肩を揺らしてびくっと驚いた

志「あっご、ごめん」

ばっと手を離すとAちゃんはすごく焦った顔で「だ、大丈夫！！」と言った

……耳真っ赤だ

志「あ、あついならジャージ脱いだりとかせんくて大丈夫……？」

さすがに倒れられると心配だからそう言うとAちゃんはぶんぶんと顔を振った

『あっ、ううん！長袖が落ち着くから大丈夫！』

そう言ってAちゃんはなんだか緊張した様子で俺の隣に座った

少しの沈黙の後、隣から小さく「よし、」と聞こえてきた

『ｯあ、あのね！』

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