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ご丁寧に部屋番号までついていたおかげで、俺はすぐにその部屋にたどり着いた。



事情を説明して来てもらったホテルのボーイが鍵を開けるやいなや、俺は大きく扉を開け放つ。


部屋に入ると、まず匂いが鼻についた。




顔を顰めながらもベッドを見れば、シャツを脱がされた伊野尾ちゃんが目を潤ませている。



「……何やってんですか、あんた」

「何、って?」



須藤さんの手が、伊野尾ちゃんの腰を撫でる。



「……ッ!! 伊野尾ちゃんに触んな……!!」


瞬間、頭に血が登って、須藤さんをベッドから突き飛ばす。

呆然としている伊野尾ちゃんの腕を引いて、ホテルの部屋から逃げた。



タイミングよくエレベーターに乗り込むことができた。

ここまできたら、もう追っては来ないだろう。




先に乗っていたスーツ姿の男性が俺たちを見て顔を顰めたのを見て、俺はジャケットを伊野尾ちゃんに被せた。


「…へっ」



伊野尾ちゃんの頭を引き寄せ、見てんじゃねぇよ、と睨みを効かせれば、男は気まずそうに目をそらした。



「山田」



地下駐車場に着くと、俺はまた伊野尾ちゃんの手を引く。


伊野尾ちゃんは何かを言おうとしているようだけど、俺は答えなかった。



ちらりと見えた足元が裸足なのを見て、寒そうだな、なんて考える。



躊躇いもなく伊野尾ちゃんを抱えあげると、わずかに抗議の声をあげた。




「山田っ、…やだっ、下ろしてっ……」


「……」



……なんだよ。そんなに嫌かよ。


久しぶりに触れた伊野尾ちゃんの体は、相変わらず細くて軽かった。



林さんの車につくと、伊野尾ちゃんを奥の席に押し込んで座らせる。


伊野尾ちゃんがずっと不安そうな顔をしているのを見て、イライラがさらに募った。



ああもう。
なんでこんなに上手くいかないんだよ。



ぶち、と何かが切れる音がした。



伊野尾ちゃんを窓に押し付け、ぷっくりとした唇に吸い付く。

キスをされたのかは知らないけど、上書きしてやらなきゃ気が済まなかった。



「んっ……」



夢にまで見た伊野尾ちゃんとのキス。


伊野尾ちゃん、こんな声上げるんだ。



もっと聞きたくなって、唇の隙間から、舌を捩じ込む。



「……んっ、……ん、ぁ、ふぁ…あ…っ」



甘い声を上げて、伊野尾ちゃんは俺にされるがままだ。





ずっと、この時間が続けばいいのにーーーーーー。

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設定タグ:やまいの , Hey!Say!JUMP   
作品ジャンル:恋愛
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YIN - ここまで読みました。続き待ってます。 (2022年3月1日 0時) (レス) @page26 id: f1d92059ab (このIDを非表示/違反報告)
ずみ - 一気にここまで読んで来ました。続きは気になります! (2019年12月26日 1時) (レス) id: fc1c97cf30 (このIDを非表示/違反報告)
なっち - 続きが気になります!!!!更新頑張ってください!!! (2018年12月31日 22時) (レス) id: a01bbaa610 (このIDを非表示/違反報告)
サファイア - 続きがとても気になります!!更新待ってます! (2018年12月17日 3時) (レス) id: b202527c47 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - 更新してほしいです! (2018年11月3日 14時) (レス) id: 90d5b391a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花浅葱 | 作成日時:2018年1月5日 6時

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