短編集。(JUMP×JUMP)

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HK side

普段は悩みを隠したがるいのちゃんが、酒の力を借りて、いろいろ話してくれて。

いのちゃんはお酒が入ると、精神状態が幼くなるタイプで、本人はそれを嫌がって、なかなか深酒をすることはないのに。



「う、ぅ…、俺のこと、いやなのかなあ…っ、」

「そんなことねえって！圭人がいのちゃんのこと大好きなの、見ててわかるし！」

「……わかる、けどおぉ……っ」



俺がいうとおり、いのちゃんにも愛されている自覚はあるんだろう。

圭人は誰にでも優しいけど、いのちゃんに向けられる優しさはほんのちょっとだけ違うってことは、俺でもよくわかっている。



それなのに、圭人がいのちゃんを抱かないのは、どうしてなんだろう？


「なんでだろうなぁ。俺は光を抱きたくて仕方ないんだけど」

「お前はちょっと黙ってろ」



いらないことばかり言う薮は悪気がなかったみたいだけど、その言葉を聞いたいのちゃんはさらに泣き出して、


「じゃあ……やっぱ俺がダメなのかなあ、俺が、けーとと、釣り合ってねぇのかなあ……っ？」


滅多に泣かないいのちゃんが、こんなに自分の気持ちを顕にして泣くなんて。


……圭人といのちゃんの問題だからって、長い間見過ごしてきたけど。



「圭人のやつ……!!絶対許さねぇからな……!!」




俺らが絶対、いのちゃんを助けてやるからな！

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