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そんな幸せな時間もつかの間。
憂城くんがパタパタと走ってきた。
『どうしたの?嬉しそうだね?』
「見て見て!これ!」
1枚の紙。
【貴方は卯の戦士として第十三回十二大戦に選ばれました。おめでとうございます。
日時は_________】
『え…なに、これ…?』
「音恋ちゃんも参加したでしょ?
僕、十二大戦に出れるんだよ?!」
うそ。
『憂城くん…?』
嘘だよ。
「楽しみだなぁ〜」
『…ま、まって!?憂城くん十二大戦に…』
憂城くんは首を傾げた。
「なんで?ダメなの?僕、今すぐにでも行きたい」
『…分かってるの?』
私の発した声は、情けない程にかすれていて、震えていた。
「?」
『……死んじゃうかもしれないんだよ?!
やだよ、そんなの…』
身をもって知っている。
私は、本当ならもうこの世にいない存在。
私は十三大戦で死んだのだ。
あの時の痛み、丑の言葉も鮮明に覚えている。
十二大戦は、死にに行くのと同じ。
憂城くんは、私を安心させるように言う。
「大丈夫だよ音恋ちゃん。僕は前回よりもずーっと強くなってる」
『だけど……』
優しく抱きしめて、言う。
「僕は、音恋ちゃんを置いては死なないよ」
意思は揺らぎないものだった。
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りぃ - 大好きダァ!!丑×寅つくってください! (2020年10月18日 22時) (レス) id: 5d4bca8bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:闇夜餅 | 作成日時:2019年6月15日 13時