変わり種との再会(2018.7) ページ34
自分を役者として成長させてくれた初めてと言っても過言ではない挫折のひとつで、思い入れの強い作品だった『勇者ヨシヒコ』シリーズ。
最終シーズンのキャスト発表に、自分の名前はなかった。
背も伸びて、声変わりも始まって、その時は目の前のことで精一杯だった。
この世界が強い大人の力が働く場所だということ、そして自分はそれに逆らうことができないということを、気に食わないながらも、理解し始めたのもその時で
自分の存在が消されたかのように、代わりにニュースに刻まれる他の人の名前に、目の奥がツンとしてしまったのは事実だ。
『また会おう』って約束は、この業界では叶わない。
何かを得るには、失うものが必ずあって、
この場所にいることを選んだ自分には、
かつての居場所が、そのひとつなんだと知った。
.
.
「よーっ、元気してる？」
だから、この人がまた目の前に現れた時は、
「甘子松成を実写化するってなったらさ、いーちゃんしか思いつかなかったわけよ！
事務所さんに渋られたんだけどねー、アハハ
まあオファー通って良かったわ！
待たせたね、いーちゃんの面白いアドリブ期待してるから。」
ガハハと笑いながら1人で喋る監督。
低予算の天才。
「え、マジでかくなったね？」
「え、僕のこと覚えてる？元気だった？？」
「あー、これでこそ福田組だわ〜」
「お久〜、これからまたよろしく！」
誰が主演でもおかしくない俳優陣の中に放り込まれた自分。
大抜擢、とも言えるような、そんな選出。
「え、と、甘子松成を演じます。
ジャニーズJr. SixTONESの宇水Aです。
緊張していますが、よ、よろしくお願いします」
「なーにカッコつけてんの！楽しくしてればいいんだよ！」
「よろしくお願いしまーす！」
「あらやだいおりん、思春期？反抗期？困っちゃうわねっ」
「ムロさん困ってますよ笑」
「昔みたいに気楽に行こうぜ！」
.
.
真面目に、馬鹿騒ぎ
なんて、大人になったらなかなか出来ない。
そのことをよくこの人たちは分かっている。
それでもなお、"馬鹿騒ぎ"にこだわり続けるこの人たち。
ガラクタだらけだけど、笑いで溢れた、キラキラ輝き続ける、秘密基地のような世界。
何度でも戻ってきたいと、思えるこの場所。
この場所が、これから先の"嘘つきな少年"の運命を少し変えていくことになるとは、まだ誰も知らない。
「この夏、よろしくね」
「楽しみにしてます」
話題沸騰の天然プリンス(2018.7)→←NOW VOICE:特別インタビュー(2018.7)
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さとみ(プロフ) - 続きが気になります！パスを教えて頂きたいです。 (2023年4月19日 3時) (
レス) @page44 id: dc53ed0d61 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 何度も楽しく読ませていただいてます!よろしければパスワードを教えていただきたいです！宜しくお願いします！ (2022年9月11日 11時) (レス) id: 5e18e69194 (このIDを非表示/違反報告)
そよん(プロフ) - よろしければパスワードを教えてください！とても面白くて読んでいてとても楽しいです！よろしくお願いします (2022年9月3日 15時) (レス) id: 04f1e702a9 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます！もし良ければ、パスワードを、教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2020年12月1日 9時) (レス) id: 8752f9be26 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka - パスワードを教えてください！お願いします (2020年8月25日 0時) (レス) id: 2f0f0a00b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆこ | 作成日時：2020年5月30日 12時
