ー09ー ページ9
貴女side
思いきり腕を引かれたと思ったら、誰かの胸に抱かれていた
鼓動が聞こえる
急いで来たらしく、通常より速い鼓動
伊奈帆「本当に、君は！ﾊｧ…ﾊｧ…」
貴女「伊奈帆、さん？」
ものすごく焦っていて
それで本気で怒ってるみたいで
伊奈帆「馬鹿なのか！君が、自分から命を捨てる事は認めない」
貴女「や、ちが」
？「伊奈帆君。そこまでだよ」
伊奈帆「…揶賀頼先生、あとはお願いします」
伊奈帆さんの誤解を解けないまま
その場はおさまった
なぜ、私の生き死にが彼に関係あるんだろう
揶賀頼「伊奈帆君がなぜあんなに怒っているのか分からない、って顔してるね」
貴女「ごもっともです」
揶賀頼「伊奈帆君は、責任があるんだ。君を無事に火星へと送り届けるね。それだけじゃないのもあると思うけどね」
貴女「火星には帰りたくない」
揶賀頼先生は困った顔をして言う
それはできない、と
貴女「私が、直接拒否すればよろしいですか？そうすれば伊奈帆さんには迷惑はかかりません」
揶賀頼「火星側が許さないよ」
帰るなんて嫌だ
なら
貴女「なら、死んだ方がましだ！私は、火星に帰ってまで行きたくなどない！」
揶賀頼「Aさん」
貴女「アセイラムに会いたくない！会ったら、会ってしまったら…私が、壊れてしまう…」
揶賀頼「辛いことは全部吐きだせばいい。ここには受け止めてくれる人がいる」
でも、帰る事はどうにもならないんだろう？という言葉は嗚咽が邪魔して言えない
あの時だって離れたくなかった
その後にヴァース王室から知らせが届いて
『アセイラムの妹として生きろ』
なんて、幼い私には訳がわからなくて混乱して
でも生きるためにはしょうがないって自分を殺してまで生きて
そうして、生きてきたら
「ここにいるから」
貴女「ぁ、伊、奈帆さ…」
伊奈帆「僕が、何とかするから。僕が君の隣にいるから。Aも、ここにいて」
貴方に会ったの
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんな | 作成日時：2015年8月13日 19時
