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ー016ー ページ16

貴女side

砂浜に座らせられる

さらさらしていて面白い


貴女「海って、こんなに綺麗なんですね」

伊奈帆「そうか…見たことないのか」

貴女「ずっと城の中にいましたから」


すぃー、と目の前を一羽の鳥が横切っていく

白くて

凛としていて


貴女「鳥…伊奈帆さん、あの鳥、何て言うんですか?」

伊奈帆「海猫…」

貴女「伊奈帆さん?」


遠い記憶を見ているような伊奈帆さんの眼

少し辛そうに目を細めてる


貴女「……きゃっ、あははっ…もう…くすぐったい」

伊奈帆「Aさん!?」


突然、私の周りに海猫が群がってきて

肩に乗ったり

腕に乗ったり

翼がくすぐったくてしょうがない


貴女「あははっ!もう…」

伊奈帆「ヴァースの人って鳥に好かれやすいのかな?」


しばらくすると海猫は飽きたらしく、空へ飛んでいってしまった


貴女「伊奈帆さん…私、もしかしたら」

伊奈帆「どうしたの?」

貴女「やっぱり、何でもないです」


これは最後に言おう

今、言うべきことじゃない

それに

叶わないから

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作者名:あんな | 作成日時:2015年8月13日 19時

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