眠りは深く目覚めは浅く【アルドノア・ゼロ】 (ページ13)

今日:13 hit、昨日:8 hit、合計:18,124 hit

ー013ーページ13

貴女side

貴女「アセイラム姉様、お元気そうで何よりです」

アセイラム『貴女が目覚めて私と話をしてくれている、それが私にとってとても嬉しい事です』

モニターごしの謁見

偽りの姉に偽りの言葉と笑顔を向ける

昨日、伊奈帆さんとはあのままで何も解決しなかった

だって、私の存在を忘れていた兄ですもの

そんな人に

どう優しくすればいいっていうのよ

アセイラム『Aは、ヴァースに帰りたくないのですか？』

本題に入ったか

貴女「……私の、生まれ故郷は、地球です。ですが、幼い頃に父に連れられヴァースに行き、ヴァースの者としてしつけられていたので、私は構いません。ヴァースに帰ってもよろしいです」

アセイラム『良かった。また、一緒に暮らせますね』

自分の中で壊れる音がした＿＿＿

そうね

忘れていたわ

私は、自分の意見を言えないじゃない

誰も聞いてくれないじゃない

私は私であって私じゃないもの

貴女「私も楽しみです。足が不自由ですから、ご迷惑をおかけしますけど、よろしくお願いしますね」

この時に

この時に帰りたくないと言ったら

何か変わったのだろうか

貴女「……ﾊﾊ」

アセイラム『では、日取りはこちらで決めますね』

？「待ってください！」

そうやって

また私を揺さぶるのね

貴女「伊奈帆さん…」

伊奈帆「セラムさん、待ってください！彼女に時間を下さい！」

アセイラム『伊奈帆さん？どういうことですか？』

伊奈帆「彼女は、Aさんは、自分の意志を人に伝えることが出来ない。だから、彼女の兄に会わせてもいいですか？」

会いたくないよ

そんなの

いらないです

アセイラム『スレインに、ですか？』

伊奈帆「それが彼女の立ち直るきっかけになると思います」

アセイラム『……分かりました。日取りを延ばしましょう』

それを最期に通信が途切れた

私ってどうしたいんですかね