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「……お話って、何ー？」
「んー、特にないですね！」
宮沢さんからの要望で、外で話す事になった。
しかし、いざ話すとなると全く以って話題がなかった。というか宮沢さんが何も云わなかったのだ。
話す事があって呼んだのではないかと思い聞いてみるも、何もなかったようで僕の前に立つ少年は “ごめんなさい” と笑い、頭を掻いている。
……その純粋な瞳が、僕の目に焼き付く。
「どうかしましたか？」
「……何でもなーい」
いつの間にか俯いていたらしい顔を覗き込まれて、少し心臓が止まった気がする。
宮沢さんは僕の体調が悪いと思ったらしく、“医務室に行きますか？” と聞いてくれたが、また与謝野さんに迷惑をかける訳にはいかないと思い、それはやんわりと断った。
ところで、本当に何をしようと外へ出てきたのだろうか。
今は宮沢さんに手を引かれて、何処かへ向かっている
そんな中僕の頭は彼奴のことでいっぱいだった。
いつ彼奴が現れるのかわからない。何処から来るかわからない。
逃げられない恐怖にビクビクと震え、頭の中が “エーミール” と云う文字で埋まる。
現実からぎゅっと目を瞑って背くと、宮沢さんの歩みが止まった。
恐る恐る瞼を開くと、其処には海が広がっていた。
真昼の海は太陽の光にキラキラと反射し、僕の視界に眩い光がチラチラと入り込む。
まさしく目を奪われる光景に、僕が感動の溜め息をもらす。
「綺麗ですよね、此処」
「……すっごく綺麗」
暫く其処を見つめていて、段々と頬が緩んでいくのが感じられた。
そして、頭を埋め尽くしていた恐怖も、いつの間にか消えていた。
「気に入ってもらえて良かったです
何だか辛そうな顔をしていたので、此処に連れて来ました」
「……此処にはよく来るのー？」
「はい、僕の好きな景色なんです！」
“そっかー” と笑い、宮沢さんと話す。
さっきは話題なんて無かったのに、今ではスルスルと口から言葉が溢れてくる。
宮沢さんは不思議な人だ。一緒にいて楽になれる。
たくさん話した後、“帰ろう” となると宮沢さんが云った。
「余り無理はしないでくださいね
僕ならいつでもご相談にのりますよ！」
思わず真顔になってしまった。
しかし、途端に僕は笑い、お礼を述べた。
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小泉八雲 - あらら…終わってしまったんですか……続きがとても気になります 更新期待してます……！ (7月13日 22時) (
レス) @page23 id: a3d5b84e3e (このIDを非表示/違反報告)
らむくん@ヴィル様の旦那さんになりたい人(プロフ) - えっ、嘘！？終わり……！？ (2020年11月9日 17時) (レス) id: c2e37a127a (このIDを非表示/違反報告)
アカヤ(プロフ) - うわぁ…！めっちゃ面白いです…！ 更新待ってます。 (2020年11月7日 14時) (レス) id: c94cddf62e (このIDを非表示/違反報告)
あかや - お、終わり、、、？ 続きをお願いしますぅ、、、！ (2020年11月7日 14時) (レス) id: 51d8bbe764 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - いします！ヘッセくんやエーミールも好みなので、もっと見てみたいです。長々と失礼しました！ (2020年1月10日 23時) (レス) id: 52067018fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：篝 ヒカル | 作成日時：2017年4月22日 17時
