43 ページ4
・
医務室から出てきた与謝野さんに、A君の様子を訊く。
「嗚呼、敦かい
疲れていたようだからもう一度寝かせておいたよ」
「という事は一回起きたんですね」
与謝野さんは頷いた。そして席に着いてから僕に訊いた。
“Aが語尾を伸ばさない時はあったかい?” と。
そういえばいつも語尾を伸ばしているA君が、語尾を伸ばさない時があったような気がする。
僕が覚えている中では、初めて会った日の男女が殺されているところを見た時と、入社試験の時だった。
そう伝えると “そうかい” と返ってきた。
「それがどうかしたんですか?」
「否、妾は精神科医じゃアないから判らないけれど、
若しかしたらその時のAが、本当のAなのかもしれないッて云う話さ」
「……はぁ?」
僕には善く判らなかった。
本当のA君? A君はいつでもA君ではないのか?
そういえば前にも思ったかもしれないが、彼は本当に判らない。
一体何処から何故此処に来たのかも判らない。
与謝野さんは、“まァ、あんまり気にすることはないよ” と云った。
「唯の医者の戯言さ」
「……はぁ?」
ますます判らなくなった。
360人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小泉八雲 - あらら…終わってしまったんですか……続きがとても気になります 更新期待してます……! (7月13日 22時) (レス) @page23 id: a3d5b84e3e (このIDを非表示/違反報告)
らむくん@ヴィル様の旦那さんになりたい人(プロフ) - えっ、嘘!?終わり……!? (2020年11月9日 17時) (レス) id: c2e37a127a (このIDを非表示/違反報告)
アカヤ(プロフ) - うわぁ…!めっちゃ面白いです…! 更新待ってます。 (2020年11月7日 14時) (レス) id: c94cddf62e (このIDを非表示/違反報告)
あかや - お、終わり、、、? 続きをお願いしますぅ、、、! (2020年11月7日 14時) (レス) id: 51d8bbe764 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - いします!ヘッセくんやエーミールも好みなので、もっと見てみたいです。長々と失礼しました! (2020年1月10日 23時) (レス) id: 52067018fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:篝 ヒカル | 作成日時:2017年4月22日 17時