46 (美しすぎて、怖かった。) ページ46
＿＿＿＿＿…
傍のパソコンから大勢の人の声が聞こえる。
でもそれは全部、あまりにぼやけて遠かった。
あたしの意識はみんな、たった今この部屋に静かに入ってきた、その…刀剣男士に独占されていた。
(なに、)
誰、ではなく、何、と思った。
あれは誰、でなく、なんだあれ、と思った。
(なにあれ)
それぐらいの衝撃だった。
振り返ったその体勢のまま、がちり、と体が固まる。
あたしのいる部屋側から一番遠い、反対側の部屋の角。そこの障子を開けて入ってきたのは、
人じゃなかった。
間違いなく、
(かみさま、)
背が高い。青色。金色に光る刀の鞘。
障子から入る後光を舐めるように浴びて、ゆっくりきれいな黒髪をさら、と揺らしながら、あたしにその顔を向けたそのかみさま、あたしと目が合う、瞬間、
｢…っは、｣
｢いけない、｣
ひゅっ、と喉元で空気を吸い込む。
吐くかと思った。
隣でこんのすけさんがあたしを見上げて言う。
完全な金縛りだった。身動きが出来ない。
腰に力が入らない、だめ、立てない、
神様だ。絶対、そうだ。
だってあたし、あんな綺麗な人見た事ない。
あんなの、人じゃない。
｢ふむ｣
その人は、カタカタと震えながら身動きの取れないでいるあたしを見、次いで隣のこんのすけさんを見、そしてあたし達の隣に出現しているゲートへ、ゆっくり、ゆっくり、目を移した。その最中も、あたし達の後ろでは政府の人達が今や大勢叫んでいる。
｢はやくくぐってください！！｣
｢今すぐゲートを閉じろ！｣
｢刀剣男士がこちらにきてはならん！｣
｢練度は！？｣｢カンストです…！！｣
｢及ぼす被害は甚大かと！！｣
｢急いで！！！｣
おねがい、しずかにして、そんなこといわれても
あたしの体、全然動いてくれないんだもん、
三日月宗近、と呼ばれたその神様は、ふたたびあたしと目を合わせて、その目を細めた。
美しすぎて、怖かった。美しすぎて怖いなんて、そんな感情を初めて抱いた。魂がぎゅん、と吸い取られる感覚に襲われそうになる。だめ、しっかりして、
｢主よ…この頃誘いが無いと思い来てみれば…｣
ふわ、とその与えられる恐怖からはかけ離れた、沈み込むような、柔らかい、低い声で、その神様が目を逸らさずに、あたしに話しかける。けど、
微笑んでいるのに、目は微塵も笑ってない。
｢これは一体、……どういうことだ？｣
47 ｢みかづき、むねちか、｣→←45 ｢早くゲートへ！！！｣
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ゆり - 面白かったです！！続編も気になります。見てみたいのでパスワード教えて下さい。お願いします(＞人＜;) (2022年5月4日 17時) (
レス) id: a0139c2d82 (このIDを非表示/違反報告)
plus__m(プロフ) - 登場人物達の感情や情景がとても細やかに書かれていて、読んでいるだけなのにその場を身をもって体験しているような気持ちになってとても面白いです！特に緊迫したシーンは息が止まっていることも忘れて読んでました笑。続編の加筆修正終わるのを楽しみにしております！ (2022年4月19日 20時) (レス) @page50 id: 5adad14c72 (このIDを非表示/違反報告)
キャンドル(プロフ) - めちゃくちゃ面白いですね、この作品！続き、楽しみに待っております！ (2022年3月30日 20時) (レス) @page50 id: ff7e3e1da7 (このIDを非表示/違反報告)
白夜ナイ - 続編のパスワードってなんですか？気になるんですがパスワードが分からなくて読むことができません！教えてくださいm(*_ _)mm(_ _)m (2022年3月25日 22時) (レス) id: d118b4d7f4 (このIDを非表示/違反報告)
Momo_Tarou(プロフ) - 鳥さん» 続編おめでとうございます！！！絶対絶対絶対×∞に夜見に行きますので！！！ (2020年2月26日 7時) (レス) id: 55132ee02b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥 | 作成日時：2020年1月29日 3時
