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武道side
8月10日…
8月3日の大抗争から1週間、噂は噂を呼びオレは街の不良の間で一躍”時の人”となった
(Ruby:一年坊:キッズ)共には会釈をされ、”東卍”のメンバーには声をかけられる
「マイキー君とドラケン君の喧嘩止めたとかヤバくね？」
「”最強”じゃん」
「手ぇナイフで刺されたのに」
「”神”かよ!?」
「ナイフごと相手ぶっ飛ばしたらしーぜ？」
街を歩けば聞こえるオレの武勇伝！
人はオレをこう呼ぶことになるだろう
「不良界のレジェンド!!!」
「……ばーか」
「なにおぅ！？」
振り返ればアッくんの隣には松本さんの姿が
このまま三人でドラケン君の入院している病院へと向かう
その間、松本さんはずっとアッくんと喋っていた
オレのカリスマ性に恐れちゃった？なんちゃってー！
「ドラケン君!!お見舞い来たっスよ！」
病室へとお邪魔して声をかける、とすぐ睨まれた…なんで!?
「何調子こいてんだよテメー？」
「え!?ど…どこがですか？」
「全身で浮かれてんじゃねーかよ、ちょっとちやほやされたらすぐつけあがってんじゃねぇバカヤロウ」
「ダセェぞ？」
「………
ドラケン君にはわかんねーんスよ、日陰で生きてきたオレの気持ちが…」
「ん？きもい」
「初めて人に尊敬されたんスよ!!?ちょっとくらい浮かれたっていいじゃんか!!!」
「よくそんな悲しい事を声荒げて叫べるな…」
その後、ドラケン君から、特攻服が渡された
なんでも、”東卍”を立ち上げた時マイキー君が着てたものらしい
「”着るか着ねぇかはオマエ次第”
”でもオマエに持っていて欲しい”ってよ」
ドラケン君から告げられたマイキー君の思い
そして、”東卍”みんなからの『ありがとう』
なんだか、くすぐったかった
「マイキー君の…
オレには…重いなぁ」
「いつかコレが似合う男になれますかね？」
「会ってけよ
多分屋上で昼寝でもしてっから」
言われた通り、屋上へ行くと確かにマイキー君は寝そべっていた
病室前で別れた松本さんの姿はもう無かった
「マイキー君」
「スッキリしねぇ」
「え？」
「頭のモヤモヤが消えねぇ
何の為に半間は東卍の内部抗争を企てた？」
「なんでキヨマサ一派を使ってケンチンをころそうとした？」
「一番の謎はさ
内部抗争の事もケンチンが狙われてる事もいち早く気づき止めようとしたオマエだよ、タケミっち」
「オマエは一体何者だ？」
「……オレは
オレは…」
まさかマイキー君、全部気付いてる!?
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作者名：サファイア | 作成日時：2021年11月12日 21時
