選抜出場 ページ1
ピンローン
その時、俺の携帯が鳴った。
バッグから携帯を取り出し、確認するとメールがきている。
その内容を見て
「え」
と、思わず言ってしまった。
「なんだなんだ?」
三井先輩を先頭に、ほとんど全員が集まってきた。
「っとー…ちょっと外、出てきていーですか?体育館正面玄関のすぐそこにある、ゴールのところなんですけど…」
俺がそう言うと
「てゆーかまず、それ誰からなんだ?」
と、桜木が聞いてくる。
「んー…」
俺は一瞬、躊躇ってから
「これだけど…;;」
と、少し遠慮気味にメールの内容を見せた。
全員寄ってきて、謎の沈黙が流れる。
初めに口を開いたのは宮城先輩で
「お前、あのメンツの中に…!」
と言い、更にすげぇ…と呟いた。
「ほう…!A、やるな…」
赤木先輩は少し驚き気味に、感心するような態度を見せる。
「まぁ行ってこいよ。あんまり待たせても悪いだろうしな」
木暮先輩は、優しくそう言った。
「はい、ちょい行ってきます」
1回頭を下げてから携帯だけ持っていった俺は、小走りで正面玄関へ向かった。
正面玄関を抜け、外に出ると、街灯で照らされた小さな半面のバスケットコートや、階段が明るく浮かび上がっていた。
「おぅ、来たかA」
「あ、ホントだ」
さすがの二人で、気付くのが早い。
俺はそこまで走ってから、
「どーも、仙道に牧さん」
と、笑みを浮かべた。
二人とも、続けて微笑む。
「いきなりどーしたんですか?牧さん」
俺は、メールの差出人である牧さんに問いかける。
「実はな、今度の冬の選抜の話なんだが…」
冬の選抜…まだ先だな
「俺ら3人は、出場決定が決まったらしいんだ。神奈川のバスケットボール協会委員が言っていた、と監督から聞いた」
え、え…え!?
「えっ、ちょ、それほんとですか!?;」
信じられずに、声をあげる俺。
「まぁ、お前の活躍を見れば当たり前だろう」
牧さんは、当然のように言う。
「俺と牧さんは、去年も出場決定だったから、今年は新たにAが加わったって訳か」
ニッコリ笑って仙道が言う。
「いや…牧さんと仙道は有り得るかもしれないけど…なら楓とか信長の方が…」
そう呟くと、
「Aはなんでもかんでも自分を下に見過ぎだ」
はぁ…とため息をついてからいいことなのか悪いことなのか…と、牧さんは言う。
「でも、A、俺にも牧さんにも負けてなかったと思うぜ」
仙道も、微笑んで言う。
牧さんと仙道こそ、相手を上に見過ぎなんじゃ。。。
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並木町(プロフ) - すごく面白かったです! (2022年12月12日 21時) (レス) @page15 id: 0c7d654824 (このIDを非表示/違反報告)
Marinta Galaxy(プロフ) - 白い雪兎さん» スラムダンク、今年映画化するそうです!! (2021年1月15日 15時) (レス) id: 59dbb8998a (このIDを非表示/違反報告)
白い雪兎(プロフ) - にこぱさん» ありがとうございます! (2020年6月15日 7時) (レス) id: 2c27ca0b28 (このIDを非表示/違反報告)
白い雪兎(プロフ) - Rayさん» 遅れてすいませんでした!今日します! (2020年6月15日 7時) (レス) id: 2c27ca0b28 (このIDを非表示/違反報告)
にこぱ - 楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年6月15日 5時) (レス) id: 7f3a127dad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い雪兎 | 作成日時:2017年11月17日 22時