ヒーローの君へ［特撮 反応集］

［Blade］ ページ19

〈剣崎一真〉

｢俺にですか！？Aさんから！？｣

『本命だよ。一応、私の気持ちを込めに込めました！』
｢ストレートに言われると凄く何かこう、クるものがありますねこれ。｣
ありがとう、と微笑みながら渡したチョコを愛おしげに見つめる彼。
『そんなに嬉しいものなの？バレンタインチョコって』
そう聞くと当たり前じゃないですか、と言い大事にポケットにしまう。

｢Aさんから貰ったものなら尚更。｣
『そういって〜、他の人からも受け取ってるでしょ？剣崎くんイケメンなんだから。』

貰ったとしてもな〜と指を折って数える彼にむっとして他のメンバーにも渡してくると言い離れようとした瞬間後ろから抱きしめられて彼の腕に閉じ込められる。
｢ごめん、少し揶揄いました。｣
『剣崎くんの悪い所』
｢悪かったよ、A｣
『…呼び捨てずるい』

どうしたら許してくれるんだ〜？なんて上から降ってくる声に軽い溜息をつく。


｢俺の部屋、行こうか。｣


そう耳元で甘く呟く彼に無言の承知で彼の裾を掴んだ。




〈橘朔也〉

｢俺にか…？｣

『少しビターにしてみました、お口に合わなかったすみません。』
｢いや、それはないだろう。｣
そう呟き1つ口に放り込んで咀嚼をする彼を不安げに見つめる。
｢美味い、Aは本当に器用だな。｣
微かに微笑みながらこちらに柔らかい視線を向ける。
『良かったです…！ブランデーを少し隠し味に入れたんです。』
｢ありがとう、残りは夜に頂くよ。｣
そう言って私の頭を優しく撫でる。

『じゃあ私はこれで、剣崎くん達にも渡してきます。』
｢A｣

軽く頭を下げて踵を返そうとした時彼に名前を呼ばれて振り向く。
｢外は冷えるだろ、これを。｣
肩に彼のジャケットが掛けられて体温が伝わり恥ずかしくなって顔を下に向ける。

｢後で返しに来てくれれば構わない。｣
また後で、と笑みを含んで歩いていく彼に会える口実ができたと私は喜びながら農場へ向かった。

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