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〈花家大我〉
眠い眼を擦りながら彼を待つ間、かけてあった黄色のファーを手に取り人肌恋しさから羽織り椅子に腰かけて仮眠しようとした時ドア前で物音が聞こえた。
「なっ…!?!?」
『……あ。』
「勝手に人のもん借りるなって何回言えば分かんだよ」
『ん、おかえりなさい』
人の話を聞け、何て言われながらぎしりと椅子の肘掛け部分に彼の体重が乗せられる。中々触れてこない彼にもどかしさを感じながらファーに顔を埋める。
『大我さんの匂い私凄く好きかも』
「…お前は人の情緒を崩すのが余っ程上手なもんだ。」
言葉を紡ぐのに時間がかかった彼を見ようとした瞬間広がる彼の端正な顔と触れる唇の感触。
「俺のものを勝手に借りた上に無自覚に煽るとはな。」
何されても知らねぇぞ。
いつものワントーン低い声が耳に響き眠気が一気に吹き飛んだ。
その瞬間に軽々と持ち上がる自身の身体と肩と足に回される彼の手。
『ごめん、謝るから!謝るからステイしてください!』
「自業自得だ」
『まってまって何処向かうんですかちょっと花家先生!』
「んなとこで先生呼びすんな容赦しねぇぞ。」
精々吠えてろA。と言い捨てて私は虎に噛みつかれるのだった。
〈九条貴利矢〉
「ちょっっっと待ってAちゃん」
机に置いてあった彼が羽織っているいつもの赤いジャケットを羽織っていたら中々見られない白衣姿で戻ってくる持ち主と目が合う。
じわじわと赤くなる彼にしまった、と心の中で思う。
「え、自分のジャケット着てるの?」
『すみません勝手にお借りしちゃって…白衣以外にちょっと興味があって〜なーんて…!?』
あははと笑いながら理由を連ねる言葉を止めたのは彼が私を抱きしめたからであった。
「心臓うるせぇ…はーほんと可愛すぎでしょ。」
『いや、あの九条せんせ』
そう言いながらぎゅうと抱きしめる力を強くする彼。
時刻は夜近いがここはまだCR、誰もいない2人きりだが私も彼も勤務中だと言うのに甘い雰囲気が放たれる。
「……にしてもこれはちょっと自分には毒かもな。」
そう呟く彼にやっぱり嫌でした?と伝えるとにぃと微笑んで違うよと言われる。
「好きな子が自分の服を着てんだぜ、これで何とも思わない奴なんていないでしょ」
そう囁かれながら腰辺りをつぅと撫でられて思わず声が漏れそうになる。
自分、いーこなんで"今は"我慢するねAちゃん、と言い残して足取り軽く出ていった彼を見て今度は私が1人赤面するのだった。
あれ、彼氏さんじゃない?[random]→←彼シャツしてみた[Ex-eid]
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温泉卵 - 誤字あってすみません‼︎😭 (3月23日 0時) (レス) id: cf3aefaeb6 (このIDを非表示/違反報告)
温泉卵 - こんにちは!コメント失礼します!いつも楽しく見させて頂いてます!リクエストしたいのですがウィザードで怪我してしまった。またいな感じお願いしたらしたいです。できたらお願いします! (3月23日 0時) (レス) id: cf3aefaeb6 (このIDを非表示/違反報告)
ぽに(プロフ) - るしゐさん» そういって頂けて恐縮です~т_тマイペースでやっていけたらと思いますのでこれからもどうぞよろしくお願い致します🤝🏻 ̖́- (2月21日 0時) (レス) id: 48bd687bc9 (このIDを非表示/違反報告)
るしゐ - バレンタイン反応集、とても素敵でした!!これからも更新頑張ってください✨ (2月15日 20時) (レス) id: 3376040ee3 (このIDを非表示/違反報告)
華沙音(プロフ) - ぽにさん» 全然大丈夫です!!楽しみに待ってます🫶🏻´- (1月18日 23時) (レス) id: 7586dfe39b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽに | 作者ホームページ:http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/
作成日時:2023年12月31日 17時