ヒーローの君へ［特撮 反応集］

初詣行ってみた［Ex-eid］ ページ2

〈宝生永夢〉

「『あけましておめでとうございます…！』」
新年早々待ち合わせの鳥居に着くと同時に放たれる2人の声。
「今年は一段と冷えますね」なんて言いながら微笑む彼にそうだねと返す。
本殿の賽銭箱の前で手を合わせて出店を見て回る。
『永夢は何をお願いしたの？』
「えーっと…僕ひとつに中々絞る事ができなくて沢山お願いしちゃいました」
『え！教えて教えて？！』
「い、言いませんよ！それにほら！言うと願いが叶わないとか何とかって飛彩さん言ってたし…！」
確かにそんな事言ってた様な言ってないような…なんて思考を巡らせているとでも、と言い彼は少し腰を落として目線を合わせる。
「Aさん関連のこと、僕祈りましたから。」
え、それってどういう…という前にほら行きましょう！と言われて腕を引かれる。




〈鏡飛彩〉

「待たせてしまって申し訳ない」
天才外科医の彼は正月だろうと関係なく仕事が舞い込んでくる。
辺りは暗く気温も下がる夜の神社。
『お仕事お疲れ様です』駐車場から走ってきたのか息を少し切らし鼻が赤くなっている彼にそう声をかける。
「緊急オペが長引いてな、冷えただろ。」そう言いながらマフラーをふわりと首に巻いてくれる。
『全然大丈夫です、鏡先生と新年一番最初にいるのが1番の嬉しいものですから』
「お前はよくもそう淡々と……」
言葉を聞くと目を見開きぱっと顔を横に向ける。
「それとA、先生呼びはやめろ。」
『え？』
「俺は今はフリーの時間を過ごしているだけに過ぎない。よって先生呼びはノーサンキューだ。」
『え、じゃあ何て呼べば…』
「それくらい自分で考えれば分かる事だ。行くぞ。日付けを跨ぐ前に。」
そう私の手を掴み本殿へ向かう彼の背中を見て私は小さく『…飛彩さん』と呟いた。

・→←大晦日一緒に過ごしてみた［Build］

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す