ある兄弟の物語 4 (ページ45)

今日:3 hit、昨日:27 hit、合計:92,278 hit

45 ページ45

智洋side

さてと、飯もできたし雅紀くんのお粥もできたから
呼びに行きますか。

智「流星、腹減っとるなら先食べとってもええよ」

流「食べる…！！お腹空いた！！
　のんちゃんも食べよ！」

望「はいはい笑。
　ともくん、俺も先に食べるな」

智「分かった」

泣き出すくらいお腹空いとったんやもんな。

ｺﾝｺﾝ

智「崇裕？ご飯できたよ」

崇「お、ありがと…腹減ったわ〜」

智「どしたん？何か元気ないやん」

崇「…コイツがさ俺のこと嫌いやないって」

智「うん、それはええことやん」

何でそれで悩むん？
嫌いよりは嫌いやないの方がよくない？

崇「いや…俺、コイツをずっといじめとったやん。
　家来た時からずっとさ…。
　こないだだって押して頭怪我させたのに。

　やのに、嫌いやないって…俺は嫌いやのにさ…」

智「雅紀くん、多分崇裕の本心に気づいとると思う」

崇「俺の本心…って」

智「崇裕が雅紀くんをほんまに嫌ってないってこと」

崇「はぁ？何言うてるん？俺は「そういうとこやん」

智「いつまで自分の気持ちに嘘ついてんの？
　
　雅紀くんが嫌いなんに助けに行くか？
　バスケの迎えも嫌なら行かへんかったらええやん」

崇「それは…流星のためやし…。
　行かへんかったら俺が怒られるし…」

智「俺が迎えに来る時までに抱っこしとったのは？」

ちなみに、この前りんご買ってきた袋の中に薬とか。
色々な看病グッズが入っとったのも知っとるで。

これ見て、"雅紀くんが嫌いです"なんて思わんわ。

崇「………」

智「ほんまは仲良くなりたいって思ってるんやろ？
　ええ加減素直になり。

　とりあえず、雅紀くん起こしてご飯食べさすから。
　その時に一緒に聞いてみたら？」

崇「…とももちゃんとおってな？」

ほんまに世話が焼けるお兄ちゃんやで笑。