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崇裕side
崇「おい！竿引いとるで！」
雅「！、えっ…え、どうすればいいの…っ？」
崇「ほら、釣竿上げて巻いてや！」
雅「こぉ？」
崇「もっと早く！ってあぁ…」
急に重みがなくなったから逃げられもうたなこりゃ…。
雅「何もないじゃん」
崇「アホ、逃げられたんや。
ウキが沈んだらすぐに引き上げな」
雅「言われなくても分かってる！」
崇「分かってへんやろ！」
てか竿が引いたら上げるって基本中の基本やんけ！！
雅「じゃあ隣にいてよ！！」
崇「なっ…」
雅「たかが隣にいないと…分かんない…もん…。
たか、勝手に一人でやっちゃうし…」
……なんや、可愛いとこあるやんけ。
崇「…ほんなら一緒にやるか？」
雅「……やる」
で、結局一緒にやることに。
しかも隣やなくて俺の両足の間に座るから、やりにくくて
しゃーない。
「お、一緒に仲良くやっとるんか。
ええねええね〜、兄弟愛を感じるわ〜」
崇「勝手に入って来ただけや」
雅「たかがいいって言ったじゃん」
崇「隣に座ればええやろ」
雅「俺はここがいいの！」
ﾊﾟｼｬﾘ
！？
崇「おっちゃん、今写真撮った！？」
「おぉ撮ったで。
照史に送ったろう思ってな」
何で照史の連絡先知ってんねん。
「こんなに仲睦まじくやっとるのに写真を撮らん方が
もったいないや〜ん」
……どこがや。
どう見てもお互いムスッとしとるやろが。
雅「たか！たか！釣竿！」
崇「よし、しっかり持って。
一緒に引くで、せーの！」
雅「！！、釣れたぁ！！
これ何！？何の魚！？」
「アジやな。20センチくらいやろうか。
あんちゃん、中々やるやんか！」
雅「たかのおかげ！たか、ありがと！！」
崇「お、おう…」
そんな真っ直ぐ言われたら…照れるな…。
「あんちゃん、このアジ、刺身で食ってみるか？」
雅「ここで食べれるの？」
「もちろん、釣りたての刺身は新鮮で美味いねん。
ここで捌いて食うのも釣りの醍醐味ってもんよ」
雅「食べてみたい！」
「ほんなら、捌くからちぃと待っとれ」
雅「たかは釣りたて、食べたことある？」
崇「俺はバス釣りが好きやから、あんま食べたことない。
でも、美味いのは確かや」
雅「ふふ、楽しみだなぁ。
今度、そのバス釣りにも連れてって」
崇「気が向いたらな」
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作者名：KK | 作成日時：2023年10月4日 23時
