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崇裕side 船到着
うぅ…寒っ…。
日の出前の冬の海は特に寒いなぁ〜。
崇「寒くない？」
雅「大丈夫！」
……子どもは風邪の子とかよく言ったもんや。
崇「ほんなら、これ海に投げてみ。
ええか？しっかり竿は持っとくんやで」
雅「餌はつけないの？」
崇「この釣竿はルアーが付いとるからいらへん。
俺は普段からこっち使っとるから」
雅「ふーん」
で、そのままルアーを海に投入。
……あんま遠くにいかへんかったけどえっか。
雅「で、この後は？」
崇「後は竿が引くのを待つのみ！」
雅「え〜、待つだけ？」
釣りを舐めんな！！
待つのもな、釣りの醍醐味やねんぞ！？
崇「俺はこっちでもう一個のやつ準備しとくから。
これに釣竿立てとき。
それと、なるべく釣竿から目を離さんこと。
何かあったら呼んでや」
雅「分かった〜」
雅紀side
雅「釣れないなぁ…」
俺初めてだから釣り上げるタイミング分かんないもん。
たか、隣にいてよ。
「あんちゃん、調子はどうや？」
雅「あ、おじちゃん。
全然ダメ、ぴくともしない」
「まぁまだ船出して時間も経ってへんし焦る必要ないよ。
釣りはタイミングも大事やねん。
ええか？ウキが沈んだと思ったら竿を上げて巻く。
焦っとったら早く上げ過ぎて魚が逃げてまうからな」
雅「分かった、ゆっくり待ってみる！
おじちゃん、運転は大丈夫なの？」
「おん。俺の弟子にさせとるから安心せえ。
弟子って言うてももうベテランやけど」
崇「ちょいちょいおっちゃん。
俺の弟、口説かんといてや」
「嫌やな〜笑、口説いてへんよ笑。
アドバイスやって〜、なぁ？」
雅「うん！！たか、嫉妬したの？」
崇「なっ…ちゃ、ちゃうし！」
雅「俺は兄ちゃんだけだから安心して！」
崇「やからちゃう言うてるやろ！」
「ほんまにお前さんは雅紀のあんちゃんが好きやな笑」
雅「んふふ、俺もたか大好き！」
崇「っ……あっそ！」
行っちゃった。好きなら好きって素直に言えばいいのに。
流星には素直に言うくせにさ。
「あんな冷たく言うてたけど、実際はあんちゃんのこと、
大好きやから安心せぇ」
雅「そんなのとっくに知ってる！だから大丈夫だよ！」
だってさっきの顔、嬉しそうだったもん！
昔は俺のこと、いじめてばっかだったから。
多分今更、素直になれないんだよね？
俺の勝手な想像だけど！
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作者名：KK | 作成日時：2023年10月4日 23時
