ある雨の日 ページ4
ログインできなくて本気で焦ってましたまじすんません()
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96猫side
「んぁ……今日も疲れたァ…」
我が主……さかたんから頼まれた薬を作るにはちょっと手こずってて。
今日も失敗で終わった。
「だいたいあんのくそジジイ共の目を盗んでとかやっぱあの犬おなごになる薬でも持ってやった方が…」
とブツブツ言ってるとｻﾞｧｯと急に雨が降ってきた。
「ありゃ、急に降ってきたなぁ」
と開いたままの窓を閉めようとするとコンコンッ、と軽やかになったドア。
来客すら珍しい上に今日はそんな予定もない。
ましてやこの雨の中だ。
不審に思いつつも好奇心からか「どうぞ」と声が出た。
ｷﾞｨ、と木のドアが開いた先に立っていたのは…………
小さな女の子だった。
「すみません。雨に降られてしまって。」
そういうが雨は先程降ってきたばかり。夕立の可能性も高い。
なのにわしの家……魔女の家と知られているこの小屋に入ってくるか？
最も、世間知らず。と言ってしまえばそれまでだが……
「……今晩、泊めて頂けないでしょうか」
濡れた髪の隙間から見える眼光にぞくり、とした。
“逆らわない方が身のためだ”
と本能が告げる。
「ええよ。なんにもない場所やけど」
「ありがとうございます。」
ぺこりと頭を下げる彼女に質問を投げかけた
「君名前は？あと、親御さんとかは心配せぇへんの？」
「Aと申します。親は……どちらも分かりません。」
「…そっ、か、……じゃあさ！」
「？」
孤児を放っておくほど酷い魔女になったつもりは無い。が、このなんとも言えない気持ちを放っておくほどお人好しでもない。
だいたい、いいじゃないか。
人殺しの魔女と冤罪をかけられ恐れられたわしにこんなに怯むことなく話してくれる子がいるなんて。
「ここに住んでわしの補佐をして欲しい」
「……」
「だめ、かな？」
すると一瞬、本当に一瞬にやり、と笑った。
直ぐに表情が作られ「えぇ、私でよければ喜んで」と朗らかな笑顔で笑った。
ー
「……これがわしとかえでの初対面の時。」
あくまで名前は全て伏せておいた。
「え、じゃあなんで僕にかえでを任せたん？」
「かえでの強い希望やったんよ。それに……」
はぁ、と頭を抱えた
「まさか美男美女を振ってきたさかたんがたかがメイドに惚れ込むなんて…」
と言ったところでさかたんの顔が不機嫌になったことに気づく
「かえでのことそんなふうに言わんで」
こりゃ相当惚れてんな…
続く
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作者名：きなこもち | 作成日時：2022年1月21日 3時
