阿部ちゃん先生！！ (ページ7)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:11,675 hit

･ページ7

夜の10時過ぎ。お兄ちゃんの部屋にて。

大介「亮平かー。懐かしいな」

お兄ちゃんは私より10歳年上で、優しくて頼りになる。

歳が離れた兄妹ってこともあってか、昔から仲良しで喧嘩もほとんどしないし

今でもこうやってときどきお兄ちゃんの部屋に行っては漫画を借りたり話を聞いて貰ったりしてる。

A「でも、本当に亮ちゃんかどうかは分からない。顔がどんな感じだったか思い出せなくて…」

あ、ちなみに、私はいとこのことを亮ちゃんって呼んでたの。

私は普通にAちゃんって呼ばれてたっけ。

A「写真とか持ってない？」

大介「探せばあるかも！」

お兄ちゃんはクローゼットの奥から箱を取り出して、中に入っていた大量の写真の中から

亮ちゃんが写っている写真を探し出した。

大介「あったよ！ほら」

お兄ちゃんが見せてくれた写真には、お兄ちゃん、私、亮ちゃんの弟、そして亮ちゃんが写っていた。

そうだ、亮ちゃんの顔はこんな感じだった。幼い頃の懐かしい記憶が一気に鮮明になる。

大介「どう？亮平と先生、似てる？」

改めて写真に写る亮ちゃんの顔をよく見てみる。髪型やメガネの形こそ違うけれど

目や鼻の形が先生にそっくり、いや、本人そのものだ。

A「うん。先生は亮ちゃんに違いない。」