王 3 (ページ36)

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かぐらは微笑んで言った。

「ローとは二度と会うことはない。これだけは言っとく。貴方の父親と私は医者仲間で、とても仲良かったの。あの人は病院があって一生懸命患者を見ていたわ。私は外で怪我をした子や貧祖な子などを患者として、治療したり、薬を作って、提供したりしていたの。ある日、フレンバスは珀鉛病に次から次へと感染し、白い町は一瞬にして消えた。私はその時いなかった。他の町に行かずにこの町にいたら、貴方を助けれることだってできたわ。ごめんなさいね」

かぐらはそれだけ言い残して、スッと消えていった。

ドフィだけは納得していた。

トラファルガーは真実を知って何も言えなかった。

「コラさん、ローは伝染病ではないのよ。」とシャナルが言うと、ロシナンテとトラファルガーは驚いた。

「事実よ。病院を回っても無駄足で終わるだけ。医者が嫌がってたから。伝染病だの、感染するだのって思っていたからよ。違う？」とシャナルが続けた。

「その通りだ。」とローが答えた。

「ってことは、シャナルちゃんは一流の医者か？」とロシナンテが聞いた。

「ああ。」とドフィが答えた。「シャナル、少し休め。俺がお前のことを話すからよ。」

「ありがとうドフィ。お言葉に甘えてそうさしてもらうわ。」とシャナルが言った。

シャナルはドフィの部屋に一角だけシャナルの部屋があった。

娘は眠れず、かぐらが心の底から愛していた曲を歌い上げた。始まりは気付かぬうちに訪れ、予報通りに進まない時も微笑みを忘れずに。町の色がポツリポツリと変わり、雨空に唄いながら傘をさすことなく歩いた。どんな人でも愛していると言えるような気持ちで、顔を上げて光を見つめた。涙の河も海へと帰り、誰の心も雨のち晴れるように。靴を飛ばし、未来を占うことはできなくとも、君と過ごす日々は奇跡のようにかけがえのないものだった。ポツリポツリと呟いた言葉が風に紛れ、胸に届いた。どんな時でも君のそばにいると約束し、昇る朝日を待ち続けた。哀しみを手放し、笑顔になるために手を振ってさらばう。雨のち晴れるように、誰の心にも希望が輝く。